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気仙沼線の必要性を訴えるブログ

このブログは廃線の可能性が示唆されている気仙沼線について、鉄路による復旧を心の底から願っているある利用者が、存続を訴えていくブログです。 利用者として見てきた私の視点から、気仙沼線の必要性について記していきます。 少しでも鉄路による復旧の理解に繋がれば、嬉しく思います。 管理者

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これからの地方鉄道を考える(後編)



第3章:バスやBRTで良い路線とは、どういう所?


しかし、どうしても、長距離利用者を世界から呼び込む事が出来ない路線があります。私の方では具体的に挙げる事は出来兼ねるのですが・・・、
簡単に言うなら今の気仙沼線の鉄路区間みたいな所です。
沿線人口が少な過ぎるのに、観光地が一つも無い。終点(柳津)も、鉄道に接続してない。故に長距離利用者を呼び込む要素がゼロに近い感じの路線が、当て嵌まると考えています。

でも、これに当て嵌まったとしても、キチンと存続している路線は沢山あります。私がいつか行きたいと思っている千葉県の銚子電鉄は、既に鉄道自体が観光対象です。

ですから正しくは
「今の気仙沼線の鉄路区間の様な感じなのに、銚子電鉄の様にテコ入れを行う事が見受けられない路線」と、
今の北海道の様に「長距離利用者を呼び込む努力をしないと路線が持たないのに、それをしてない路線」が該当すると私は思っています。

そしてハッキリ書きますけど、
今日の提言に基づくならば、『バスやBRTに転換した路線というのは、将来的には終わりを迎えるだろう』と私は考えています。


もう一度、事実として記させて頂きます。
地方に於いては人口減と車社会が進んでいる中で、地元の人しか使わない路線というのは、現在進行形で消滅が進んでる現実があります。
どこぞの共産主義の国みたいに、公共交通機関の利用強制でもしない限り、これを止める事は不可能なのです。

『その解決方法は、地元以外の人にも利用して貰う事です。出来れば長距離で。』

今の気仙沼線、誰が好き好んで、長距離利用しようと思いますか?

このまま行けば、
   鉄路もBRTも廃止になるに決まってます。


仙台⇔気仙沼の長距離利用者が、この路線の収益を支えていた過去の事実は、直ちに鉄路へ戻して頂いても決して変わる事はありません。三陸道が出来た今でも、「渋滞の心配無しに、2時間で、都会と観光地を直結する」というコンセプトは不変です。きっと今よりも、営業係数は絶対に良くなると思います。

問題は大船渡線です。震災前から、盛~気仙沼~(大船渡線経由)~一ノ関や盛~気仙沼~(気仙沼線経由)~仙台の通し利用が、少なかったのですから。だから私は、鉄路復旧を説明出来ないのです。JRから「鉄路復旧すれば、今よりも営業係数は良くなるのですか」と聞かれても、閉口するのみです。故に、只見線の様な取り組みが必要なのに・・・。「長距離利用者を呼び込む努力をしないと路線が持たないのに、それをしない路線」が、現在の大船渡線BRTです。

当たり前ですが、もちろんバスでもBRTでも、長距離の利用者がある程度いれば、きっと存続します。でもそれは、鉄道よりも呼び込みが難しいのが現実なんです。
そして廃線からのバス転換路線というのは、今の北海道の様に利用者の呼び込み努力もしてなかった所が圧倒的に多いのです。

・・・鉄路の時代にそういった努力もしてこなかったのに、バスやBRTでそれが出来るんですか?

    だから<詰み>としか言えないんです。


BRTの利点は結局、JR東日本の好意で生まれたものです。
300人未満に対して、異常に多い運転本数と専用道が維持され、鉄道と同じ運賃が維持されてます。
多くの通勤区間を持ち、専用道も持たず、運賃もBRTの2倍がデフォの仙台市営バスでさえ、全線が赤字なのにです。

どう考えても、公共交通として破綻しています。
増収が見込めない路線が、いつまでもこんな状態で永続する訳がないです。


だから私は「バスやBRTで良い路線とは、どういう所なのだろうか?」という答えとして、「将来的に公共交通を辞めても良い路線です」と解答したいと思います。


<エピローグ>

ここまでお読みいただいた皆様、有難うございました。
かなり厳しい事ばかりを書きましたが、私自身、記述が辛かったです。
でも気仙沼線の問題を皮切りに、公共交通の有り方について、随分と自分なりに調べた結果、今日の結論に至る事になりました。地方の公共交通を守る一番手っ取り早い方法は、地方への移住の強制と車の使用禁止を強制する事で間違い無いと思います。しかしそれがまかり通る世の中になれば、日本は既に民主主義国家では無い事を意味するでしょう。結局、人口減と車社会という現実に添って、地方の公共交通を守る方法を考えていくしかないのです。
ですが、今や車が便利過ぎる世の中となりました。地方の人は常に車で物事を考えて、車が使えない或いは使いたくない状況で初めて、公共交通機関の利用を模索します。元々の人口が少ないのに、その様な環境で路線を維持していくのは困難です。だから「地元の方しか利用しない路線は、もう詰んでいくだろう」と私は悲観的に見ています。
しかし、その事実は車を運転出来ない一定層を置き去りにすると言う事です。特に高校生の通学確保が出来ない様では、移住者なんて呼び込める訳がありません。また車社会に生きていない余所者である私から見ると、それは住めない地域と同義扱いとなります。

「公共交通機関の無い所に未来は無い」というのが、私の考えです。

 だからこそ、維持して欲しい。維持の為の努力をして欲しい。維持する事が、必ず、地域の衰退の歯止めとなります。

その方法として、「地元の方の足を守る為に、長距離利用者を世界から呼び込む」という私の提言が参考になれば、嬉しく思っています。そして、これはバスやBRTよりも鉄道が一番やり易い、だから簡単に廃線にしないで欲しい旨を強調させて頂ければ幸いです。

 『これからの地方鉄道を考える』、それは【地方(地元)の人だけでなく、色んな人に乗って貰ったその収益で、地方(地元)の人の公共交通を守る】
というのは、如何でしょうか?
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これからの地方鉄道を考える(中編)


北海道江差町にて撮影。江差線が無ければ、この景色を私は知らなかっただろう。

第2章:長距離利用者の増加が、地域交通を守る!

そもそも鉄道とは、長距離の利用を目的とした乗り物だと私は考えていました。戦時中の映像で徴兵された兵隊さんや、学童疎開の子供さん方が汽車で見送られる場面を見たりすると、「この方々は今から何時間位かけて、何処へ行くのかな?」と思ったりします。短距離で降りるとは、あんまり考えません。

ですが、時代は変わりました。地方では車は一人1台、高速道路どころか一般道もメチャクチャ整備された環境の現代では、わざわざ鉄道を利用しなくとも遠くへ行く事が容易になりました。
だから、こういった問題が起こるのだと思います。

という事は、かつてそれが出来ていた路線ならば、長距離の利用者が今では少ない路線だとしても、テコ入れ出来る可能性があるという訳です。例として、岩手県の山田線で考察してみたいと思います。

昔は宮古から盛岡へ行くとするならば、山田線しかありませんでした。しかし、現在は復興予算で完成した道路もある為、完全に車の方が優位となりました。もし宮古の方が首都圏へ向かうのならば、盛岡まで車、もしくは所要時間が短くなったバスの利用からの新幹線が一般的と言えます。鉄道の方が不便と感じる人に、鉄道の利用を強制する事は中々厳しいのです。
この様に、「昔は鉄道しかなかったけど、今は車やバスの方が便利だね」といった路線が日本には山の様にあります。この問題を解決すれば、全国にある地方鉄道の多くが救われる訳です。

ですが、この解決が難しい。
でもこの解決が、存続のポイントでもあるのです。


寧ろ、「輸送人員がどうとか」、「廃止だ、存続だ」と揉める前に、この部分を皆様には議論して欲しいと私は思います。

テーマはずばり、【どうやったら、かつての様に長距離の利用者を獲得出来るのか】です。

『長距離の利用者をなるべく多く獲得すればする程、運賃収入が上がり、鉄路の存続へと繋がる』というのが、私が出したい提言なのです。

この方法こそ、各自治体で考えて欲しいと切に思っています。例えば山田線で言うなら、宮古市がJRと協力して「山田線で盛岡を往復した方は、申請して頂ければ市で運賃を半分負担します」とか。こういう議論や試行錯誤によるテコ入れを、まずは行って頂くのが良いのではないかというのが私の意見です。

ただ一つだけ、どの地域にも共通して言える提案があるので、今回はそれを記したいと思います。
それは首都圏を中心とした観光客の方々、そして外国から来た方々は車やバスよりも、鉄道の有り無しで利便性を考えられているという事実です。

先程、地方では車は1人1台だと記しましたが、都会では免許すら持たない人がザラにいます。持っていても運転しない、そもそも車が無い状態の人が当たり前の様にいます。そして外国の方は、もちろん日本で運転なんて出来ません。そんな方々が出歩く時は当然、鉄道路線図から見ていきます。仮にバスが鉄道と並行して走っていたとしても、そんな事実は初見では分からないので、無視して鉄道を使う傾向が強いです。

地方鉄道が長距離利用者として獲得する層とは、正にこの方々だと思っています。

この方々を上手く呼び込み、鉄道で遊びにきて頂ける環境をつくる事が出来れば、私は地方鉄道の大部分は廃止しなくとも存続出来るのではないかと考えています。

だから今の北海道の考え方が、私は嫌いなんです。
地元の利用者目線と経費問題だけで、どんどん廃止を決めていく。鉄道は地元の人だけでなくて、誰もが乗れる交通機関なんです。その事実が抜けてませんか。札幌や飛行機で来る首都圏の方々、或いは漸次的であるものの回復が見込まれる外国人観光客の往来等は考えましたか。「どうやったら、長万部~小樽又は深川~留萌間を乗り通して頂けるお客様を増やせるか」等、真剣に考えて議論したのでしょうか。せっかく、わざわざ都会の人が来ても良いなと思える観光地を沿線に持っているのに・・・。もったいない。

私みたいに運転をしない人は、もう、永遠にその地域へ行く事はないでしょう。足が無いですからね。代行バスが運行されたとしても、鉄道でなければ、わざわざ行く気になんてならないのです。

車社会の中で地元の人しか使わない路線というのは、現在進行形で消滅しています。


鉄道の強みは、地元以外の方も軽い気持ちで利用しちゃえる環境が醸成されている事なんです。バスには群馬県の長野原~草津温泉の様な有名過ぎる一部路線を除いて、それが無いんです。だから地方でバス転換をすれば、利用者減少による将来的な廃止へ至るのは当たり前なんだと私は考えています。

『地元の方の足を守る為に、長距離利用者を世界から呼び込む』、これが私の提言です。

 

後編へ続きます

これからの地方鉄道を考える(前編)


五能線沿線に遊びに行った事は、私の一生の思い出だ。
これがバスやBRTだったら、永遠に来る事は無かっただろう。

<プロローグ>

先に皆様にお話ししたいのですが、このブログは元々、
   『何故、気仙沼線を鉄路で復旧させる必要があるのか?』
               を主軸としてスタート致しました。
そして勿論、今でも私は
 『気仙沼線はBRTは直ちに辞めて、すぐに鉄路で復旧するべし!』
                と当たり前の様に思っています。 

その理由はただ一つ、
    【BRTで良いままの理由が見つからないから】です。

しかしブログを開設した頃と違い、いよいよ「全国に地方のJR線の存続が問題視される」様な情勢となってしまいました。

そこで今回はいつもと少し趣向を変えて、「鉄路の存続には、何をすべきか」「鉄路からバス・BRTへ転換するのは、どういう状態が相応しいのか」という観点から、ブログを掲載する事にしました。

本当はこういう事をしてしまうと、「じゃあ、私が鉄路の方が良いと思っている路線は、BRTの方が良いって事?ふざけんなよ!!」と反感を抱く方が必ずいらっしゃると思いますので、ずっと控える様にしていました。現に私は、大船渡線のBRT区間については個人として今でも鉄路派ですが、気仙沼線の様に鉄路が必要な理由を理路整然と説明出来ませんでした。沿線の鉄路派の皆様には、申し訳ない限りです。

ですが全国にて、「これからの地方鉄道を考える」風潮が生まれ、色んな人がこの問題を考える雰囲気になってきました。

その際にただ「赤字だから、すぐにバスやBRTにしよう!」と考えられちゃうのは、絶対に違うと私は強く思ってます。

現に今の北海道の考え方がそう見えて、大っ嫌いです!


私が定年した頃にはもうほとんどの路線が無くなってて、「こんな鉄道もない様な僻地、旅行にも行けないな!」と勝手に騒いだ挙句、候補先を最劣後へと回す事になるでしょう。


だからこそ、今回の掲載内容が少しでも、「自分の地域が鉄路に向いているのか、向いていないのか」を考えるきっかけになって欲しいという想いが芽生えたのだと思います。
BRTに反対し、その不便さや意味の無さを発信し続けてきましたが、それはBRTをずっと見てきたから分かった事でした。その事柄から、全国の皆様に発信出来る内容もあると考えた次第です。不愉快な点もあるかもしれませんが、最後までお付き合いを頂ければと思います。どうぞよろしくお願い致します。


<第1章:輸送人員より赤字額を減らす方が大事!>


最初に申し上げたいのは、この項目となります。
政府は『1000人未満を対象に、議論すべき』と言いましたが、これは何の指針にもなりません。相変わらず、「政府は政府らしい事しか言えないんだなぁ」と呆れていた処です。これはJRの立場が分かっていないと、素直に思います。

JRがして欲しいのは『輸送人員を増やす事ではなくて、赤字をどうにかして欲しい』という事です。ハッキリ言えば、1000人未満の輸送人員でも、黒字又は酷くてもトントンであれば、こういった話しは出ないのです。

例えば2000人が毎日、利用している路線があるとします。しかし、ほとんどが通学定期で短距離利用の為、一人から400円位しか運賃が入らないとします。すると2000人×400円=80万の収入となります。
しかし、これは逆でも同じ結果となります。つまり1日に400人しか利用のない路線でも、ほとんどが長距離の利用者で2000円の乗車券を買う方ばかりならば、400人×2000円で=80万となる訳です。つまり400人でも、その路線の使われ方で2000人と同じ収入が得られてしまう訳です。

私はこの理論が成り立つ路線は、決してバスやBRTに転換せず、絶対に鉄路で残すべき路線であると強く思っています。

「つまり長距離利用者が多い路線は、鉄路のままテコ入れすべき」という事です。


今の気仙沼線を見て下さい。震災前は800人~850人であった利用者が、今は鉄路・BRT区間の平均輸送人員が250人前後となっています。ハッキリ言って、公共交通として終わっています。JR北海道だったらBRTどころか、バス転換による完全撤退のレベルです。そしてこんなに多くの利用者が離れていった理由はもちろん、今の気仙沼線が使え無さ過ぎる故です。
震災前に気仙沼線が担っていた「仙台と気仙沼を2時間で結ぶという役割」が果たされていないから、利用者が返ってこないのです。

長距離利用者の方で支えられている路線が安易にバスやBRT転換すれば、今の気仙沼線の様になります。

BRTで本数が増えたとか、細かく駅(停留場)が出来て便利なったとか言われますけど、それで喜んでいるのは今の利用者だけです。こんな250人以上の利用が見込めない路線が辿る道は、将来的な運転本数の削減と廃止だけだと私は強く思っています。

人口減で悩みかつ車社会の地方では、地元の方による短距離利用だけではそれこそ、公共交通の維持なんて出来ません。

存続の鍵は、如何にして「長距離利用者を獲得するかだ」と私は強く思っています。


私の見立てで申し訳ないのですが、JRだと青森県の五能線や岩手県の釜石線等が、震災前の気仙沼線と同じく長距離利用者で支えられている路線となるのではないでしょうか。特に五能線は豪雨災害の影響で存続が心配されていますが、この路線こそバスやBRTにすれば、利用者が今の半分以下以上に減ると思います。能代~五所川原間なんて、それこそ観光の方で成り立っている区間の様に思われます。

・・・コロナ前、リゾートしらかみと普通列車で行った事がありました。しらかみは満員だったのに、普通列車は途中まで貸し切りでした。1回しか利用した事はありませんが、「五能線はすっかり、観光鉄道なんだなぁ」と率直に思いました。持続的な公共交通を続ける為にも、鉄路以外はあり得ないと余所者ながら、私は思っています。

『長距離の利用者が見込める路線は、その方々を基軸としたテコ入れを行って、地域交通を守っていく』


これが最も簡単でかつ、地域の衰退を招かず、寧ろ地域経済の発展にも寄与出来る政策だと私は確信しています。その方々の収益が赤字額の減少へ繋がり、廃線の危機を遠ざけるのです。

中編へ続きます

未来⑥:鉄道軌道整備法の一部改正案、いよいよ成立!!

長かったです、本当に・・・
2年前、BRTが本復旧扱いとなってからの失望感。
それにようやく、光が見え始めてきました・・・

この度、いよいよ
鉄道軌道整備法が改正される見込みとなった
旨を、
皆様へお知らせしたく思います!!

3年前、「気仙沼線の鉄路復旧に向けた支援は、今は出来ません」と国に言い渡されました。
(その時の状況が、こちらの記事です)
あの時は本当に、国は最低だと思いました。

でも、やっと変わるんですね。

この改正により、

年内にも気仙沼線は国の支援対象になる事が出来ます!!

7年間放置されてきた話が、ようやくスタートラインに立てるんですね・・・。この改正にご尽力された皆様に、感謝致します。有難うございました。

・・・でも、ちょっと待って下さい。ここで疑問に思う方もいらっしゃると思います。

「気仙沼線って、本当にこの法律の支援対象になるのでしょうか?」     
    
                             
だって、2年前にBRTで本復旧するって決めましたもんね。じゃあ意味ないじゃん!!って思う方が、多数ではないでしょうか?

今回はその疑問について事実を提示しながら、
気仙沼線は支援対象になる理由を解説したいです。 
皆様と共に、考えていければ幸いに思っております。どうぞよろしくお願い致します。

まず始めに抑えておきたいのが、「鉄道軌道整備法って何なの?」って事です。
これはここで私が説明するより、よそのサイトを観に行かれた方がいいかもしれません・・・。

まあでも一言で言うと、「鉄道事業に対して、鉄道の整備を図る事を目的とした法律」だそうです。この言い方はウィキペリア情報ですが、国会に提出された条文を読む限りではその解釈で正しいと思われます。

この現行の法律に依ると、「鉄道軌道の整備に当たっては、黒字企業(JR東日本)へは国費を充てなくて良い」という事でした。だから気仙沼線は結局、国費が出ないまま今の通りとなった訳です。

この度の改正はそれを改め、「鉄道軌道の整備に当たっては、黒字企業(JR東日本)が有する赤字路線へは国費を充てても良い」という事になりました。
だから震災当時にこの改正案が現行の法律だったら、山田線も大船渡線も気仙沼線も石巻線も、もうほとんど、対象になっていた事でしょう。

なお条文によると、この法案は2016年(H28年)4月1日以降に災害復旧事業を開始した鉄道に対して、施行するそうです。ですので2011年に被災した山田線・只見線について、前者は2015年に鉄路復旧事業が始まりましたから対象にはなりません。後者はこの前、鉄路復旧事業が始まりましたから対象となります。

・・・?、あれ、じゃあ気仙沼線は?
復旧事業って、それ以前に始まってたような・・・。
っていうか、BRT本復旧を取り決めたのは2016年の3月だったような・・・。

皆さん、ここからが大事ですよ!!


ポイントは、BRTは鉄道なのか、バスなのか。ココなんです!!




名古屋に、ガイドウェイバス(ゆとりーとライン)というのがあると聞きました。あの、まぁその・・・、東京から西って行かないのでネット情報のみなんですが。

それによると、これは「バスなんですけど鉄道って区分」らしいんです。途中までは一般道を走るバスなんですけど、大曽根駅~小幡緑地駅のみ専用軌道区間を走行するそうなんです。専用軌道区間はバスが軌道上を走行するのでハンドル操作が無く、アクセルとブレーキのみを運転手は操作するとか。すごく画期的ですね。死ぬ前に一度、視察へ行ってみたいです。
軌道上を走る。故に、これは鉄道という区分になるとの事です。

気仙沼線のBRTって、どうでしたっけ?
軌道区間だった場所をバス専用道にして、バスを普通に走行させていたような・・・

      



ここに面白い事が書いてありました。
ちょっと開いてみて下さい⇒JR東日本のBRTの取り扱いについて

ご覧になりましたでしょうか。
BRTって、「一般乗合旅客自動車運送事業」って言うんですよ!!



一般乗合旅客自動車運送事業ってなんでしょう?


国土交通省地方運輸局のHP
によると・・

これって、路線バスなんですよ!!

という事は・・・

BRT(バス高速輸送システム)は鉄道ではなくて、バスって事になるんですよ!!!!



確かにJRのBRTの総則に、自動車線って書いてあるんですよ。鉄道線とは区分けして、書いてあるんですよね。


鉄道軌道整備法って、何でしたっけ?
「鉄道事業に対して、鉄道の整備を図る事を目的とした法律」でしたよね。

BRTって、バスですよね。鉄道という区分ではなさそうですよね?

それでは皆様に質問なんですが・・・。


「BRTというバス事業に対しての復旧に、鉄道軌道整備法は適応されるのでしょうか?」



JRは今日まで、現在進行形にてBRTの専用道を整備しています。鉄道だった部分を、バス専用道にして復旧工事を進めています。鉄道事業としての軌道区間の復旧工事は、震災発生から今日まで1日たりとも行っていません。今やっているのは、軌道区間をBRT専用道に付け替えしてる工事です。これはBRTの工事であって、鉄道復旧の為の工事ではありません。

そうなるとこれまでの復旧事業は、鉄道軌道整備法の適応対象へは当たらないんです!!


BRTの本復旧は確かに2016年3月に決まりました。ですが・・・
「鉄道復旧工事はまだしてないのですから、気仙沼線は今回の改正の支援対象なる!!」と私は考えるに至れた訳なんです。


書店で売ってる最新版地図を見れば分かる通り、気仙沼線は鉄道路線として扱われています。そこに柳津~気仙沼間、運休中と示されているはずです。鉄道としては運休してるって、わざわざ書いてあるんですよ、BRTが本復旧扱いの今でも!!JRにはまだ、気仙沼線を鉄道扱いして頂いているって事です。

・・・鉄道として廃止しようと思えば、強引ではあるものの踏み切れる状況なのに。

私みたいなBRT否定の鉄路復旧派が「鉄道として廃止もしてないし、運休理由は甚大な災害。復旧工事もあれはBRTの工事であって、鉄路復旧の工事ではない。故に今回の鉄道軌道整備法改正により国費が気仙沼線に下りる見込みになったから、直ちに鉄路復旧しろ!!」と言い張れてしまうのが、この章の結論なのです。


最近、思う事があります。
BRTって最初、復旧費が安くなるって話しからスタートしましたよね。
気仙沼線のBRT専用道の工事、見た事ありますか?

めちゃくちゃ金を賭けてるんですよ、不思議な位に。

「えっ、気仙沼線って鉄路復旧決まったのかな?」って勘違いする位に。

戦後に開通した気仙沼線は鉄道公団張りの、高規格路線でした。
特に本吉~陸前小泉~蔵内間の陸橋とか、清水浜の陸橋とか立派なもんでした。
その壊滅した橋を、全部BRT専用道として復旧工事を進めているんですよ。
もう公団に負けない鉄道橋を、BRTの為に造っているんです。
橋の建設とか、費用問題で揉める定番なのにですよ・・・
現在のBRTの採算と費用効果で考えれば、有り得ない位の投資でBRT復旧工事が進められているんですよね。

あまり詳しくは書けませんけど・・・、
「あっ、もしかしてJRは気仙沼線を直す気があるのかもしれない」
私はそう思ってしまったんですね。

やろうと思えば、いくらでも気仙沼線廃止プレー、放置プレーが出来る立場なのに。
鉄道としての気仙沼線を廃止、又はBRTの運行に届出を変更、乃至はBRTを鉄道と言い張る。どれか一つでもされていたら、今日の理論は通りませんでした。

BRTの専用道も、仮に鉄道に戻すとしたらすぐ出来るんですよ。専用道にしてなかったら、7年間放置された草ボウボウの荒れた土地を整備する処からスタートですもんね。倍以上かかりますよ。

まあだからこそ、某区間を放置プレーしている大船渡線は直したくないんだなぁという印象を受けちゃうんですけどね。

ただ気仙沼線については、もっとJRを信じてあげるべきだったかもしれません。
もちろん私は法律家ではありませんから、今日の理論は間違ってる可能性があります。
ですがもし適応の対象ならば、JRのさりげない気遣いへ国と自治体には目を向けて頂いて、一体となって鉄路復旧に向けた道を歩み始めて欲しい。それを切に願いながら、この章を終えたいと思います。

また動きがありましたら、更新します。よろしくお願い致します。



なおけせん様よりブログ更新中に、今回コメントを頂きました。
私がこの記事でまだ、気仙沼線が支援対象になる解説をする前に頂戴した内容となります。この記事と一緒に合わせて拝読頂ければ、幸いです。

管理者

未来⑤:これからの気仙沼線を考える


柳津駅から延びる線路は、何処へ向かうのだろうか・・・。

この1年、私はブログを放置していました。
理由は簡単で、記す事が何も無かったからです。

ですが遂に、気仙沼線の未来を考える時がきた気がします・・・。

もし更新を楽しみにして下さる方がいらっしゃいましたら、先にお詫び申し上げます。


まず初めに、平成29年8月25日、JRと気仙沼市の約束が遂に履行される事になりました。

気仙沼発 仙台往復きっぷ平成29年10月1日より発売される旨を報告させて頂きたく思います。

気仙沼発 仙台往復きっぷについて(JRの発表)
気仙沼発 仙台往復きっぷについて(気仙沼市の発表)
(各々リンク切れはご了承下さい)

このブログで何度も記させて頂きましたが、気仙沼線の主要な役割とは正に、仙台と気仙沼を高速で繋いでいた点にありました。仮に鉄路を断念せざる得ないならば、その代替として上記のきっぷの販売を気仙沼市は求めていたのです。

まずはJR東日本に約束の履行を果たして頂いた旨、御礼申し上げたいと思います。

ただ、きっぷの詳細を見ましたが・・・
これはちょっと・・・、もう少しどうにかならないかなっていうのが正直な処です。

今日はその問題点と、今後の気仙沼線について考察したいと思います。


(1)きっぷの問題点
 
 先に私の感覚では、このきっぷは気仙沼線を用いて仙台⇔気仙沼を行き来していた人の代替商品であるという基本姿勢がありました。その前提だと・・・

①料金が中途半端に高く感じる

 これは否めないです。片道3850円なのですが・・・。

○震災前の気仙沼線の快速  2270円(正規料金)⇒約2時間
○現在も運行中の高速バス  2000円(正規料金)⇒平均2時間30分

○新幹線with大船渡線(上記)  3850円(割引料金)⇒平均2時間

さあ、これをどう見るべきか!!
270円位なら気になりませんが、1850円はどうでしょうかね?


前回(1年前)もブログに書きましたが、無理なんですよ。やっぱりこれは。
だって仙台⇔一ノ関の新幹線料金って、1840円なんですよ!!


下手にこのきっぷを2270円で販売したら、間違いなく合法不正が横行するでしょう。「一ノ関に用あるんだけど、このきっぷを買えばお得なんだよねー。」と言われれば、JRもたまったもんじゃないとは思います。

だからJRの姿勢だけは、理解したいと私は考えています。
ですが、片道3850円では・・・。個人的には、往復6000円が限度なイメージでした。


②そもそも、発売駅と形態がおかしい

私が同線を利用する(してた)際、基本は気仙沼→仙台(片道のみ)とか仙台⇔気仙沼(往復)が一番多い感じでした。このきっぷが出ると分った時、「料金は高いがとりあえず利用して見るか・・・」と思ったのです!!

ですが、そこには注意書きがあって・・・

○気仙沼・陸前高田・盛でしか販売しません
○気仙沼→仙台、仙台→気仙沼のパターンのみしか販売しません


はっ?・・・

えーーと・・・・・・使えねぇ-------------泣 



めちゃくちゃ、がっかりしてしまった。
いや往復でしか売らないのは、確かに想定内ではあったのだが。
まさか全部盛岡支社管轄扱いの切符で、仙台方面の駅からでは何処からも買えないなんて・・・。

残念だけど、これはダメだと思う。

地元の人でこの切符を買うのは、高速バスが苦手な年輩者だけじゃないだろうか。
値段を鑑みる限り、これでは車や高速バスに転向したかつての気仙沼線利用者は、JRへは帰ってこれない。この方々は安さと快適性を天秤にかけて、相対的に判断される人々が多いのではないだろうか?

もちろん帰省客や観光客は別で、多少高くてもおトクなら、新幹線で一ノ関回りのこの切符に流れると私は見ていた。こちらの方々は安さよりも、まずは利便性を優先する傾向が強いと考察されるからだ。なのに、地元の人限定商品って扱いなのぉ・・・。


すまないが、このきっぷでは気仙沼線の代替にはなりえないだろう。
全然ニーズにあって無い切符程、悲しいものはない・・・

きっぷの値段に限界があるなら、やはり気仙沼線鉄路復旧を再考するのが、この問題の解決になると私は思っている。

(2)これからの気仙沼線を考える

 今月(8月)の上旬、私が待っていた出来事が遂に現実になろうとしている報道があった。
 それは自民党の国土交通部会にて、鉄道軌道整備法改正案が了承されたという内容のものであった。これまで「国は黒字企業であるJR東日本へは公的支援は出来ません」とされていたが、それを改めるのが今回の改正案である。次の臨時国会で正式に可決、成立するだろうと見込まれているようだ。



 やっときたか・・・・。6年も待ちました。




 
 忘れもしない2年前の6月、「今の法律では、気仙沼線に国費は出せません!!」と言われたあの日。その憤りは今でも、BRTを見る度に、乗る度に思い出してしまいます。「一生このままなのか・・・」と、失望感しか持てなかった残念な日々。



 それが・・・、ようやく変わる!!


 正式に改正案が成立しましたら、ブログにこの内容に関する詳細を掲載したいと思います。次回の更新をお待ち下さい。

 ですが先行して言えるのは、やっと気仙沼線の鉄路復旧に向けた議論がスタート出来る所にきたと言う事です!!

 「気仙沼線はさ、もうBRTになっちゃったんでしょ?今更、そんな法律改正されても無駄だよ」
と言う人がいます。

 ・・・本当にそうなんでしょうか?


 前回のブログで書きましたが、気仙沼市はJRに対し「鉄路復旧の存置をする事」を要望し、JRもそれを否定しませんでした。

 そもそも一番最初にBRTで仮復旧をした際に、JRと自治体の約束で「安全の確保された鉄路復旧を目指す」事も紙に明記されていました。安全の担保費用が国から一切出ない事から、今に至った訳です。

 何より心強いのは、JRが鉄路としての廃止届を出していない事です。

 JRは費用問題さえ解決すれば、必ず鉄路復旧を行ってくれると私は確信しています。 だからこそ、今、大船渡線も含んだ同線の未来を考える必要がある。

国費を入れるという事は、路線に対してそれなりの責任を持つと言う事です。

ただ何となくBRTより鉄道の方がいいという考えでは、「んじゃ、BRTでいいじゃん!!」と突っ込まれてしまうでしょう。
鉄路でなければならない理由を明確に示した上で、その費用効果にどれだけ答えられるのかを考える時だと思います。

それがこの先にある、費用負担問題の解決に繋がると考える所存です。答えられるのならば自ずと費用を出し合って鉄路復旧しますし、答えられないならばずっとBRTのままなのでしょう。

 ・・・気仙沼線の明るい未来を描きながら、次の情報を待ち続けたいと思います。

筆者
 

プロフィール

HN:
saiwaityouandkawabata
性別:
非公開

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