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気仙沼線の必要性を訴えるブログ

このブログは廃線の可能性が示唆されている気仙沼線について、鉄路による復旧を心の底から願っているある利用者が、存続を訴えていくブログです。 利用者として見てきた私の視点から、気仙沼線の必要性について記していきます。 少しでも鉄路による復旧の理解に繋がれば、嬉しく思います。 管理者

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コメント

現在、新しいコメントを受け付けない設定になっています。

いつも拝見させて頂いております

いつも拝見させて頂いております、n100tedaと申します。
5年程前に一度コメントさせて頂いた事が御座いました、その後も気仙沼線を利用する中でBRTには「災害発生時における柔軟性の高さ」や「BRTはよりきめ細かな需要に対応する事が出来る」等多くのメリットがあると気付かせて頂きました、ですがその反面「専用道の舗装の耐久性に難がある」「当初見込まれていた観光面での優位性は無いに等しい」「速度向上に課題がある」等BRT特有の課題も徐々に現れてきたなとも感じております。
また仙台行きの高速バスも減便がなされた事も記憶に新しく、人手不足等の問題によりこちらも更なる減便が発生する可能性は否めません。
さて、こうした中でこの5年間鉄道・BRTのメリットデメリットを周囲の話も聞きつつしっかり見極めながら自分なりにこの地域の公共交通の在り方というものを考えて参りまして、現在もその最中になります。

早速になりますが先日「第3大川橋りょう」への橋梁本体へ繋がるアプローチ高架の勾配を測って参りましたところ、35‰程度の勾配であり普通鉄道における勾配の限度に対応している可能性がある事が判明致しました(間違えておりましたら申し訳ございません、詳細 https://dic.pixiv.net/a/パーミル)
しかし清水浜駅付近の「桜川橋りょう」付近につきましては橋本体とトンネルに明らかな高低差が見受けられ、また陸前小泉や歌津付近のトラス橋群等を含めまして、これらの構造物は全て道路用の活荷重である「B活荷重」(高速道路や国道級)で設計されており、どうも現在気仙沼線に整備が進むBRT専用道につきましては「完全には」鉄道前提という訳でないようです。
ですが震災後、大船渡線の大船渡駅近くに河川改修工事に伴い建設された「須崎川橋りょう」につきましては鉄道用の設計荷重(EA-15)で建設されており(2015年2月着手、2016年7月しゅん功)、また気仙沼線にB活荷重で建設された「港川橋りょう」(2016年7月着手、2019年7月しゅん功)につきましても「須崎川橋りょう」と外観や構造等に共通している箇所が幾つか見られます。
これらを踏まえますと、トラス橋やコンクリート橋等をはじめとした幾つかの構造物は鉄道へ転用できる可能性が高く、かつどこかにその可能性を考慮したものなのではと考えております(間違っておりましたら申し訳ございません)。
(参考として気仙沼線に建設されました沖野田川橋りょう及び伊里前川橋りょうの詳細について示したページのリンクも添付しておきます https://www.smcon.co.jp/service/assets/uploads/pc-sekei/PCN239.pdf | http://www.miyaji-eng.co.jp/technology/pdf/32/w041-046.pdf )
また何よりも大船渡線との対比や気仙沼市長さんのコメント等も踏まえますとやはり、一定程度「鉄道復活」の可能性が残っているのは事実でしょう。

ただし、仮に鉄道復活をするのであれば清水浜駅付近のものをはじめとした構造物の改修は相当大掛かりなものとなる事は避けられなく、場合によっては幾つかの高架は再度作り直す必要があるかもしれません。加えて踏切も可部線復活区間等の事例があるとは言え相当絞らなければならないかと思われます、更に南三陸町内の鉄道用地や移設区間の問題等もあり乗り越えなければならないハードルは決して低くはないでしょう。
ですから今後もし「鉄道復活」を目指すのであればやはり「運動の継続」、そして何より「鉄道復活の意義の明確化」が求められてくると私は考えております。
今後それらがどのような動きを見せるのか、一沿線住民として今後もしっかりと注視していきたいと考えております。
最後にこの地域に明るい未来が訪れる事を祈って、また現在この様な時期になりますのでそちらもお体にお気を付けてお過ごし下さいませ。
長文・拙文失礼致しました。

n100teda様、再びコメントを頂きまして有難うございました。

先に返信が遅れて、申し訳ありませんでした。

ブログをお読み頂きまして、本当に有難うございます。
コロナウイルスの関連で、まだ南気仙沼駅近郊の専用道区間に乗車しておりませんでしたので、情報を頂けて嬉しく思っております。

私も勾配については注視していました。
鉄道はバスと違い坂道に弱く、もしJRが勾配だらけの専用道を多く整備してしまったら、鉄路復旧が一気に遠のくと考えていたからです。
ですが実際はn100teda様のコメント通り、多少の勾配が見受けられる区間はあるものの、技術的には鉄路転用可能と思える構造ばかりで、私はそこにJR側の誠意を感じていた処でもありました。

この9年間で私が素直に思ったのが、「自治体の政治判断の重要性」でした。
他所の鉄道存続問題を鑑みると、最後はやはり自治体の判断で全てが決まり、そこにJR(鉄道会社)や国が従ってくるという処ばかりでした。故に鉄道用地が残っている限り、大船渡線も含めて、行政のトップや議会が鉄路復活を強く発信すれば、まだまだ鉄路の道は開けると私は強く考えております。特に気仙沼線は県境を跨がず、他の不通線区よりも沿線自治体が少ないので、気仙沼市か南三陸町が強く出れば格段に可能性は高いのではないかと期待をしている処です。

今はコロナの関連で観光業が落ち込んでいますが、逆に私はこの騒動で、現在の日本にとって観光業が如何に重要性を増しているかを思い知りました。人口が減少していけば必然的に活気はなくなっていきますが、観光の方が沢山訪れれば自ずと街の衰退に歯止めを掛ける事が出来る。土地勘の無い人々にとって、鉄道は車やバスに勝る利便性を持っている事実は間違いありません。BRTのまま人口・利用者数減少による廃止に脅えるよりも、世界中の観光客の皆さんに気軽に利用して頂ける鉄道環境の整備が良いのではないかと確信出来た数週間でありました。この騒動が終わったら、改めてその重要性を発信したく考えております。

速達性の高かった気仙沼線の強みが、観光を名目に脚光を浴びる日の実現。このブログがその一助になればという気持ちで、これからも情報を発信していきたいと思っております。どうぞこれからもよろしくお願い申し上げます。

PS. n100teda様、いつか気仙沼線鉄路復旧した際には、一番列車で会いましょう!!

  • saiwaityouandkawabata
  • 2020/03/28(Sat.)

返信遅くなりまして申し訳ございません

政治判断の重要性、ひしひしと身に伝わって参りました所存です。
数年前の気仙沼市や南三陸町の議事録を拝見させて頂きましたところ、やはり同市町にも「鉄道復活」を求める議員さんが何人かいらっしゃいまして、また気仙沼市長さんの「遠い将来における気仙沼線の鉄路での復活の可能性を存置する事」という発言も含め、今後自治体のトップや議員らがどの様な出方をしていくのか引き続き注視して参りたいと考えております。

また大船渡線鹿折唐桑〜陸前矢作間の専用道を整備しない理由になりますが、国道45号線経由の方が需要や対災害性等に優れている為という話も聞いております。加えてこの区間につきましては現在上鹿折駅構内にて線路の撤去工事が進んでおり、近く橋りょう等の撤去工事も開始されるとの事です。
それから少し話は変わりますが日田彦山線については遂に「鉄道断念」との結論となりつつあるようで、当初の案より専用道が延伸なされた案(彦山駅〜宝珠山駅付近か)で検討が進められる方向となりつつあるようです(http://www.gikai.pref.fukuoka.lg.jp/oshirase/file/dayori-35-07.pdf こちらが復旧費用の詳細について記したページの画像になります)。

さて私は気仙沼線の「鉄道復活」を目指す場合、まず沿線住民・自治体側もやはり相当の誠意というものを見せていかなければならないと感じており、加えて観光"だけ"では戦えないという風に認識しております。従って今後それを目指すのであれば確かに観光も大事ですが快速南三陸を最高速度100km/hで運転するなり、BRTではなし得ない広域流動をより確保した運行体系を取るなり、より「実用性」の方に重きを置くべきだと考えております(実際陸羽西線では「快速最上川」が最高速度95km/hでかっ飛ばしてる訳ですから…)。
また周りの話を見て参りますと「車内が3密となる列車やバス等、公共交通全般がコロナ収束後の世界に於いて避けられる存在になる」「観光業も元通りになるとは限らない」という意見も見られまして、現実はそう甘くないという事も認識しておく必要があり、かつ予断を許さない状況であると考えております。
それから気仙沼線の専用道になりますが、改めて考え直しましたところ第3大川橋りょう及び面瀬川橋りょうの橋りょう本体へのアプローチ高架につきましては縦曲線(勾配部分から平らな部分へと移行する曲線部分)が鉄道のそれよりも少しきつく取られている様に見受けられ、そのままでは鉄道転用は難しいかもしれません。
従ってもし鉄道へ戻すのであれば何らかの工夫(恐らく改造工事)が必要となり、仙石線鳴瀬川橋りょうアプローチ高架の嵩上げ及び延長に近い工法を取り(但し一部の跨道桁や橋りょう本体左右の橋桁は新設か)、かつ同時に縦曲線と共に高架の勾配もより緩やかにするのではないかと推測しております(参考: 仙石線鳴瀬川アプローチ部高架橋扛上工事報告 http://www.miyaji-eng.co.jp/technology/pdf/28/w076-081.pdf)。
またこれらの高架につきましては私が先に述べた通り、場合によっては一から作り直さなければならないという可能性も考えられるでしょう。

と、ここまで綴って参りましたが…、最後に一つ面白い記事をご紹介したいと思います。
(https://toyokeizai.net/articles/amp/153444?page=2)
記事の内容を要約致しますと、津谷川橋りょう前後の専用道につきましては「BRT本復旧」容認後に列車が無理なく走行できる線形の構造物を建設したそうです。
普通に考えれば仮にBRT本復旧容認前から鉄道用の設計が存在していたとしても、「一生BRT」のつもりであれば、建設費や今後の維持費等を考慮勘案致しますとあそこまでのものを造る必要は無く、設計費が多少掛かっていたとしてもその設計は放棄し改めてBRT用に新規に設計したものを採用すると思うのですがどうなのでしょうか…?

n100teda様、いつも有難うございます。

こちらも相変わらず返信が遅く、申し訳ありません。

先に気仙沼線のBRT専用道の私見について、改めて記したいと思います。
私がブログにて「鉄路を前提としている」と断言している理由の大方が、「JR東日本が必要以上にお金を賭けて、専用道の整備を行っている」点で占めておりました。

これがJRでなく国鉄のままでしたら、鉄路への期待はしていなかったと思います。

国鉄の時は無駄に見える事業を、多額の税金を賭けて、平気で行っている様子が全国数多で見かけられました。それは今の道路建設を中心とした公共事業でも、未だに数多く見かけられるのと同じ状況だったと思います。

しかし元国鉄とは言え、JR東日本は間違いなく民間企業である事実に間違いはありません。故にかつての国鉄の様に採算を無視して、多額の費用を賭ける事業も出来ないはずです。利益とのバランスを勘案して、事業を行っていく必要があるはずです。

現にJR東日本は、この度のコロナ禍を受けるまでずっと黒字を生み出してきた大企業であるのも関わらず、赤字であった岩泉線を廃止し、只見線も廃止を行うつもりでした。民間企業としての立場で考えるなら、この流れは確かに間違ってはいない行動でもあります。

だからこそ、今の「気仙沼線への過剰投資」が、どうしても「鉄路復活前提」としか思えなくなったのが、私の私見だったのです。鉄路断念が決まったなら、「もっと安価な橋を造る」のが、今のJR東日本のやり方だと私も思っています。というより、そもそも本当に一生BRTにするつもりなら、「今の気仙沼線にあんなにお金を使っていること事体」が今のJR東日本らしくない事だと思っています。

ですので勾配についても鉄路に決まったら、JRは恐らく黙って造り替えると思っております。「BRTに合わせて設計しているので、鉄路は無理です」という理論にしてしまうと、「じゃあ何で、自分達のお金で、利益も一生でない路線に対して、あんなに莫大な投資をしてまで、わざわざBRT専用道を造っているの?」という疑問が解決出来ないので。

三陸鉄道の全線復旧は全国ニュースとして、キー局で特集すら組まれる話題性があります。ですがBRTの専用道延伸については、地方ニュースで2分位しか報道されません。ブログでも触れましたが、専用道の建設は本当に費用対効果が薄いです。そしてその事を一番良く分かっているのは、当事者であるJRだと私は思っております。

コロナ禍で確かに、この先の未来は大きく変わるかもしれません。
公共交通機関を避ける風潮も、当面は続くと思います。
ですが私は、ワクチンや薬が完成して安心出来る世の中になれば、元へ戻っていくとも思っております。通勤需要に関しては、もしかしたらテレワークの影響で減るかもしれません。ですが、観光での鉄道需要はコロナ前と同水準へ戻れるとも考えております。

その大きな理由は、「観光客の全てが自家用車やレンタカーを使う訳ではない」からです。特に東京の人は免許を持ってない人やペーパードライバーも多く、訪日外国人の多くも車という発想は出来ないと思います。それに+αで、n100teda様の記載されました通り、実用性高い方法で鉄路復旧すれば、より多くの人に気仙沼線を利用して貰えると私も思っています。私ももし同線を鉄路へ戻せるなら、「最高速の引き上げを是非に実現して欲しい」と強く願っている処です。

三陸道が出来るからといっても、仙台の繁華街へ行くなら正直、車は不利です。かつ三陸道が出来たって、やっぱり車でも2時間はかかります。その部分を気仙沼線がうまくカバーすれば、コロナ後の世界でも充分に必要な路線として、多くの方々に同線を認めてもらえるのではいかと私は信じています。

n100teda様、本当に気仙沼線について見て下さって有難うございます。
これからもどうぞよろしくお願い致します。

まだコロナ禍は続きそうですが、もう少し頑張っていきましょう!!

  • saiwaityouandkawabata
  • 2020/05/21(Thu.)

移設区間に関する見解

いつもお世話になっております、n100tedaと申します。
先日ご勝手ながら貴方のブログの方をTwitterの方で拡散させて頂きましたところ、非常に多くの反響(14〜20RT、リンククリック数104〜281)を頂いており私も驚いている所存になります。

早速にはなりますが移設ルートについてになるのですが、やはり少なくとも陸前階上〜本吉の他に陸前小泉〜蔵内間の「二十一浜トンネル」全て及び歌津〜清水浜間の「白山トンネル」の一部についてはルート移設が必要である様です。
と言いますのもその最たる理由は「付近の防潮堤がL1津波までにしか対応しておらず、L2津波発生時における避難に対応していない」という事であるからです。
また、私が先に「南三陸町内の鉄道用地の問題」として挙げましたように、同町の鉄道用地のうちの一部につきましては駐車場へと転用される事も見込まれているようです。
(それらに基づきまして、各資料等も参考にしつつ私が移設ルートを検討致しましたのでご参照の程頂けましたら幸いです https://railway.chi-zu.net/114471.html)
そうなりますと、少なくとも陸前階上〜本吉間含めまして計9キロ程(最大で計10〜12km程か)の移設が必要との試算となり、費用もやはりより嵩むという事は言うまでもないなでしょう。

ですからここは、やはりより一層「地域の相応の心構え」というものも非常に重要となってくるでしょう。
従って、沿線自治体がどの様な出方をしていくのかが今後の一番の焦点になってくるのではないかと私は考えております。
2021年には南三陸町,翌22年には気仙沼市の首長選があり、もしかするとここも一つのキーポイントかもしれません。今後もそれにつきましては引き続き注視をして参りたいと考えている所存になります。

最後に、コロナ禍もまだまだ続きそうになりますがこちらも頑張って参ります。
お互いもう少し頑張っていきましょう!!

n100teda様、こちらこそ有難うございました

先にTwitterで私のブログを紹介して頂きまして、御礼申し上げます。
一人でも多くの皆様に、気仙沼線の事について知って頂き、理解を深めて貰う事が出来るならば、ブログを掲載し続けてきた筆者として、これほど嬉しい事は無いと思っております。来るべき時がきましたら、また情報を発信したく思っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。

さて移設区間についてですが、私は清水浜~歌津と蔵内~陸前小泉の移設区間について、現在では再精査が必要であると考えております。ですので、ブログでは敢えて本吉~陸前階上の絶対的に必要な移設のみ記させて頂きました。

というのも、JRがこの移設案を示したのが2013年(平成25年)、つまり今から7年も前であるからです。あの頃に予定されていた防潮堤の場所や高さ、また街づくりの計画等も含め、様々な部分が今では沢山変更されておりますので、個人の考えとしては清水浜~歌津と蔵内~陸前小泉はもう一度本当に移設が必要なのかを再検討しても良いのではないかと考察しております。

実際、福島県の只見線は当初にJRが示した案よりも安い費用で、復旧工事に着手する事が出来ました。2010年(平成22年)に岩泉線が土砂崩れで不通となった時から薄々勘づいてはいたのですが、JR東日本という会社はとにかく、運行上の安全を最優先で復旧費を高く見積もる傾向にあります。2015年(平成27年)の山田線脱線事故の復旧工事の気合の入れ方は、JR北海道や他所の財政事情の厳しい第三セクターの鉄道会社さんでは、とても真似出来ないのではないかと驚いた事を今でも覚えています。実際BRTの専用道の工事もそれが顕著で、とにかく費用を度外視して安全を優先している姿勢が印象的な処でした。

そのため、例えば来年の沿線自治体での首長選挙で潮目が変わり、鉄路復旧に向けた議論が行われるとするならば、只見線のように交渉次第で、移設案の見直しや復旧費用の縮減も可能になるのではないかと私は考えております。

もちろんJRが廃線ありきで考えているなら、従来の案をごり押しして応じない可能性もあるかもしれません。ですが私は、自治体がやる気を見せれば、少なくとも気仙沼線については、交渉のテーブルへついて頂けるのではないかと考えております。鉄道に戻す気が無いなら、最低限の費用だけでお茶を濁す事も出来たのに。それをせずに異常な位に今でも気仙沼線復旧にお金を注ぎ込んでいる姿勢は、寧ろ「早く鉄路復旧補助金を出して下さいよ!」というJRからの催促にすら見える気がする今日この頃です。

ですがこの議論を始める前に、やはりコロナ社会をどう乗り切るか。
たった数か月で、事態は大きく変わってしまいました。
自粛という言葉すら頭の片隅にもなかった頃に戻っていかないと、気仙沼線以前に世界の未来が無い気がしています。出来ることをしながら、とんでもならない事にならぬ様に見守っていきたいと思っております。

n100teda様もどうか、お体大切に、お元気で。


  • saiwaityouandkawabata
  • 2020/07/01(Wed.)

第12回-③:廃止=永遠に鉄路は無理?私が今でも鉄路を信じる理由(後編)


震災前以上に、立派な橋がかかる今の気仙沼線。
・・・本当にこのまま、誰も使わないバスを走らせ続けるのだろうか?
(気仙沼市広報,浜らいん45号より。撮影された日は平成29年2月11日)

<Ⅴ気仙沼線の鉄路、希望はある!!>

少し長くなりましたので、ここまでの流れを簡潔に述べてみましょう。即ち、何故、私が今でも気仙沼線の鉄路を信じる事が出来るのか。

それは『他所の路線に比べて、明らかに費用がかかっているから』
この事実に尽きる旨、皆様にお知らせしたい所存です。

確かに気仙沼線は残念ながら、柳津~気仙沼間は令和2年3月31日を以って、鉄道としては廃止が為されます。私も何も知らなければ、「もう永遠に気仙沼線で気仙沼に行けないのか」と失望感に苦しみ、復旧費負担を拒否した国を恨み続け、BRTしか頭にないJRをケチケチバカ企業めと罵り続けたでしょう。

ですが現実は、上の写真のような立派な橋が、今の気仙沼線には沢山造られている訳です。こんな目に見える形でお金がかかっている事が証明されると、どうしても私にはJRを批判する事が出来ませんでした。だからこそBRT専用道整備の疑問について、考察してみたくなったのです。そしてその答えが、『気仙沼線の将来的な鉄路復活』に結びつきました。

『廃止=永遠に鉄路は無理ではない』
、この事実を皆様に強調させて頂ければと思っております。


さて、広島県には可部線という路線があります。広島にも行った事がないので資料情報のみで記しますが、かつては広島駅~三段峡駅,約60キロを結ぶ路線として運行されておりました。しかし平成15年にJR西日本が赤字を理由に、途中の可部駅から三段峡駅,約45キロを廃止する事を発表し、結局、この区間は廃止されてしまいました。
ところが・・・、平成29年3月に廃止区間の内、約2キロが復活したのです!!

何も知らない人から見れば、たった2キロと思われるかもしれません。
ですが廃止された区間が事実上復活したのは、鉄道史上初めての事でした。この事例の経緯を紐解いていくと、実は気仙沼線には充分に鉄路復活の可能性が担保されているのが分かるのです!!


可部線の復活した区間は廃止前から宅地化が進んでおり、廃止時も根強い反対がありました。JR西日本は「広島駅~可部駅までは電化区間で、可部駅~三段峡駅は非電化区間です。ですので地元が可部駅から約2キロ分を電化してくれるんなら、鉄道運行は継続しますよ」と示されたそうです。ですが地元(自治体)は電化費用を出せなかった為、残念ながら廃止となりました。廃止後も復活を求める運動は継続されましたが、JR西日本は相手にもしていなかった模様です。

しかし廃止から4年後の平成19年、事態は大きく変わりました。
「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」という新しい法律が施行された為です。

この法律は簡単に言えば、「地域交通の活性化の為に自治体が交通基本計画を策定し、それを国が承認した場合は国費として、鉄道の新線建設も含んで補助金を出しますよ」というものでした。
確かによくよく考えれば5年前に開業した仙台の地下鉄東西線も、建設費が国より補助金として降りていた事実がありました。この法律の補助金かどうかはちょっと分からないんですけれども、少なくとも新線建設に対する補助を国が行っている事実は確定的にあるんです!!

災害による復旧補助は、渋っていた過去があるのに不思議ですね。


可部線では廃止区間を新線建設として扱った為、国から補助が降りる結果になりました。その後、JR西日本、国、地元自治体等が会議を開催、鉄道新設の費用を国と自治体が持つ事でJRから鉄路復活の承諾を得る事に成功し、現在に至る事が出来たそうです。

因みに気仙沼線のBRTですが、実は大船渡線も含めて、国の補助を受けている事実があるんです。これ、あんまり知られていませんが、間違いないです。

国にはBRTの支援制度というものがあって、鉄道とは別に新規開業した気仙沼線と大船渡線もこの対象になっているのです!!当時、「国はJR東日本に対して、災害復旧を支援する法律はありません」とか言い出して、事実上鉄路復旧支援を拒否したふざけた現実がありました。ですがBRTは新規開業になりますから、国の補助対象になったんですよ!!

この事実に気付いた時、私の疑問はようやく解決しました。
なぜBRT=鉄道の代行バスという表現は、書類上正しくないのか?
鉄道としての気仙沼線と、BRTというバス路線の気仙沼線。
どうして別々の輸送機関として、個別に登録されているのか?

その答えは災害復旧の国庫補助金が降りなかった鉄道気仙沼線は休止、しかし新規開業路線扱いを受けたBRTは国庫補助金が降りた結果が、現在の状態だと言う事が出来るのです!!

・・・何ともアベコベで呆れちゃいますけれども、今は措いておきましょう。

さて、ここからが、かなり大事となってきます。
この現実を踏まえた上で可部線の事例を気仙沼線を当て嵌めると、面白い事が分かってくるからです。

仮に来年、鉄路復旧を改めてJRに求める事になったとしましょう。普通に考えれば「もう廃止になったから、無理でしょ」と発想すると思いますが、可部線の様に新規開業という扱いにすれば国庫補助金は入る訳です。
つまり、気仙沼市や南三陸町等が「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」に基づいて、鉄道の気仙沼線を基軸にした交通基本計画を策定し、国より承認を受ければ、新規開業鉄道建設の補助金として国費が降りるという訳です。

実はこれ、JRの立場で考えると、かなり合理的になってるんです!!

先に私は今でも、気仙沼線は第11回等の過去のブログ記事で触れた様に、鉄道軌道整備法改正による災害復旧補助の対象になると思っています。

しかし残念ながら、巷では「一度BRTで本復旧を決めたのだから、国からの補助は出ない」とされています。もう気仙沼線の廃線は書類上は避けられませんので、この議論は措いておきますが・・・、
もし巷でいう事が正しいなら、本当に合理的なんです!!

何が合理的か。ここまでの纏めを兼ねて、JRの立場で推測説明してみましょう。

東日本大震災で被災したJR。
沿岸部の復旧について、利用者が多かった仙石線、政府が絡む常磐線は鉄路復旧が絶対であった為、自分達のお金で速やかに行う事にしました。
しかし、石巻線、気仙沼線、大船渡線、山田線の区間について被害が大きいにも関わらず、国からは補助金は出ないと言われました。元々需要が無い区間に、流石に大金を自腹するのは嫌でした。
石巻線は4つの中では一番被害が少なかったので、地元と協力してスムーズに復旧が出来ました。
でも残り3つは地元負担も期待出来そうにはありません。

さて、どうするか。そこで国がJRに言いました。
BRT新規開業支援制度で補助が出せるから、やってみない?

とりあえず何もしないよりはマシという事で、地元に提案。
山田線は拒否されましたが、気仙沼線と大船渡線は了承されました。
その後、山田線については三陸鉄道に下げ渡す事になりました。
多額の出費は痛手でしたが、お陰様でこの区間の55キロ分は一生、面倒を見る必要はなくなりました。

JRも当然、民間企業です。赤字を少なくする努力はしないといけません。
公共交通としての責任を軸に、どこまでコスト削減を図るかを常に考えています。

BRTの維持費は鉄路に比べて、確かに安いです。
でもだからといって輸送人員が低い=BRTがコスト削減かというと、そうではない。

震災前、山田線と大船渡線はすでに長距離輸送のお客を失いつつありました。
釜石市民は山田線回りで、盛岡に行きますか?
いや、釜石線か車を使うでしょう。
大船渡市民が大船渡線で、一ノ関まで行きますか?
・・・車でしょうね。

JRから見ると、短距離輸送相手では儲けになりません。
通学定期券の利潤だって少ない、通院の年輩者も回数券を使う。
しかも沿線の人口は減る傾向にある現実。

これを考えれば、山田線と大船渡線はこれを機に、一生BRTでもいいかと考えてしまいます。
その方々は公共交通機関を使わらざる得ない人達ですから、鉄路でなくとも利用はするんですから!!

でも気仙沼線は?

今度の連休に、楽天の試合を仙台まで見に行くんだ!!
何で行こうかな?
車だと混むし、バスだと遅れたら嫌だしな・・・
仕方ない、朝の気仙沼線の快速で行くか!!

今度のGWに、仙台の三越でスイス物産展をやるの!!
でもこの前の連休は、駐車場もいっぱいだったし・・・
GWですもの、絶対に混むわよね。
よし、じゃあ気仙沼線の快速で行こうかしらね!!

こんな感じ。
常に長距離利用者を相手にしてきたのが、気仙沼線なのです!!

例え車社会でも、電車の方が便がいいなら、自ずと選んでくれます。
気仙沼線は自ずと選ばれる素質があった路線なんです!!

気仙沼線から石巻線、東北本線を経て仙台へ。片道約130キロ、往復なら約260キロの収入が見込めてしまいます。ここが他の2つの路線と違う訳です。

・・・因みに気仙沼から北の人が仙台に行くなら、花巻や一ノ関から新幹線という発想になると思います。県境を跨ぐと、仙台への親近感が大きく変わる旨、お伝えしたいと思います。

この事実を知っていたJRにとって、気仙沼線のBRT化は損を生むものでした。
鉄道だろうがBRTだろうがそんなに儲けが出ない路線なら、寧ろBRTの方が良いんですけど。
鉄道だからこそ利益があったのに、それを捨ててまで、絶対に利益が出ないBRTを永続していかなくちゃいけないわけ?
う~ん、でも流石に全額自腹の復旧では割に合わな過ぎるし。

どうしようか?


・・・よし、とりあえず、『BRTにして国費を貰って直しちゃえ。』んで目途がついてきたら『廃止届を出して、その後にまた新規開業という形で国費を貰って鉄路復旧が出来る』スタンスにしちゃおう!!



・・・この考え方に至れた時、私の疑問が雲散し、鉄路への希望の太陽が見えてきました。
鉄路前提としか考えられない、BRT専用道。そこを本当に鉄道が走り過ぎていく未来を、私は感じる事が出来たのです。

つまり簡単に纏めると・・・

『全額自腹で復旧はイヤ、だから補助金出るBRTで直しちゃえ
                ⇓
『山田線は下げ渡したけど、大船渡線は鉄路にするメリットはないな。最低限出来る所だけ、専用道の工事をしよう。でも気仙沼線は鉄路の方がメリットあるから、仕方ないけど専用道は造っておこう。国費も出るし、やむをえまい』
                ⇓
『専用道の整備も終わりつつあるし、一度鉄路を廃止しよう。もし自治体が鉄路の望むなら、新規開業で国から補助金で対応(地域公共交通の活性化及び再生に関する法律)にしよう。でも大船渡線は一生BRTがいいから、鹿折唐桑~陸前矢作(専用道が無い区間)の整備費が掛かるから無理って言おう!!・・・つまり気仙沼線だけ、鉄路補助金ちょうだい!!

というのが、私の考察です。
以前も書きましたが、専用道を鉄道軌道に戻す費用と時間の方が、9年間も手付かずの線路を復旧させるよりも遥かに楽なのは、周知の事実であると強く私は思っております。昨年の台風19号で多数の線区が土砂崩れ等で不通になったと思いますが、私は大船渡線の鹿折唐桑~陸前矢作も同じく、既に線路としては使えないレベルになっていると思います。大船渡線沿線の皆様には本当に申し訳ないんですけど、もう気仙沼~盛を鉄道で行ける日はこないと私は諦めています。

だからこそ、その対比で、BRT専用道とはいえ、きっちりとほとんど整備されている気仙沼線の将来性について期待しているのです。


可部線が復活するのに必要だったのは、費用の他には鉄道用地と踏切問題だけでした。
鉄道用地は最初の取り決めで、そのまま残されていました。鉄道新設に当たっては踏切新設は禁止でしたが、可部線では「運転回数が少なく、地形上やむを得ない」という特例の下で、3箇所も復活した事実があります。私もyoutubeで可部線の新規開業区間の踏切を確認し、あの交通量で認められるなら、「気仙沼線も絶対に大丈夫」と確信しました。

残りは移設区間の場所と費用のみですが・・・、これもJRの最初の発表から5年以上も経ており、状況も大きく変わりました。防潮堤の計画が幾度も変更される中で、当初の移設対象だった陸前小泉~蔵内間と清水浜~歌津間は既に立派な堤防が完成しました。素人目には、もう移設が必要なのは陸前階上~本吉間だけではと感じています。
復旧費も当初は現状復旧費300億+移設費400億で、計700億と言われましたが・・・。既にBRT専用道で路盤は完成してますし、移設も陸前階上~本吉間だけでかつ、国費が適応されるなら、めちゃくちゃ変わってくると思います。鉄路復旧の為に障害となる要素が、あの頃と比べて小さいのが現実なのです!!


但し、もちろん、大事なのは政治判断です。


誰も何も言わなければ、一生、BRTも有り得るに決まっています。
JR東日本がやっているのは鉄路の可能性を残す事であって、自治体がBRTでいいと言えば、それ以上にお金をかける理由がなくなってしまうからです。

だから今は、もう少し、このままでいい。
自治体側がいつか、必ず、鉄路を正式に要望出来る日が来るまで。
福島県の只見線の様に自治体側がきちんと、アプローチが出来る環境が醸成されるまで。
只見線の様に地元が鉄路を支援する位の気持ちで、JRと手を取り合って欲しい。
気仙沼線の鉄路復活が、復興の終了を合図する汽笛を鳴らす日まで。

【BRTで喜ぶ人なんて、いる訳ないじゃない。】


鉄道とバス、どっちが好まれるか。どっちがイメージが良いか。どっちが速くて快適なのか。
維持費の問題さえ無ければ、『鉄道の方が喜ばれるのは全国一律の考えではないか』と私は思っています。

最後に気仙沼市がJRより鉄路廃止を正式に通達された際に発表がされた、気仙沼市長のコメントについてを以下に記したいと思います。

『当市としては気仙沼線の鉄路廃止に当たり、JRより「遠い将来における気仙沼線の鉄路での復活の可能性を今後も残すこと」に変わりがないことを確認している。』
気仙沼市の鉄路廃止に関する市長コメント(リンク切れはご了承下さい)

そもそも鉄道廃止条件に「鉄路復活可能性を担保する事」が承認されている自体、イレギュラーであるという事を強調して、この章を終えたいと思います。


<エピローグ>

ここまでお読み下さった皆様、有難うございました。
気仙沼線が廃止となる現実に直面した時は、流石に目の前が真っ暗になってしまって、何日かはよく眠れない日々が続くほどに辛かった次第でした。
しかし自分なりにきっちりと調べた結果、気仙沼市のコメント通り、「鉄路復活の可能性の担保を証明出来た」事、自己満足ながらにまずは安堵しています。

しかし、最後はやはり、政治判断なのも揺るぎ様の無い事実ともなっております。
然るべき機会が醸成されるきっかけとして、少しでもこのブログが役に立てば、管理者としてこれほど嬉しい事はありません。

日本全国で、多くの地方路線が廃線危機を迎えています。
今回の章では少ししか触れませんでしたが、福島県の只見線の様にJR、国、自治体が協力すれば、廃線危機は乗り越えられる。広島県の可部線の様に復活運動の継続が、未来を拓く場合もある。私が諦めた大船渡線の鉄路復活だって、やり方によっては出来るはずなんです!!
JRと国と自治体がいがみ合っている内は、何も進展しない。だからこそ、気仙沼線の鉄路復活が只見線と同じ様に、「三者は鉄路に向けて納得し合えるんだ」という証明になって欲しい。住民と利用者に歓喜を運ぶ最後の復興の総仕上げを告げる汽笛が響く、そんな日が来るのをいつまでも待ち続けたいと、心の底から思っています。

また更新したい事が出来たら、よろしくお願い致します。 有難うございました。
コロナウイルスに負けずに、頑張っていきましょう!!         筆者
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いつも拝見させて頂いております

いつも拝見させて頂いております、n100tedaと申します。
5年程前に一度コメントさせて頂いた事が御座いました、その後も気仙沼線を利用する中でBRTには「災害発生時における柔軟性の高さ」や「BRTはよりきめ細かな需要に対応する事が出来る」等多くのメリットがあると気付かせて頂きました、ですがその反面「専用道の舗装の耐久性に難がある」「当初見込まれていた観光面での優位性は無いに等しい」「速度向上に課題がある」等BRT特有の課題も徐々に現れてきたなとも感じております。
また仙台行きの高速バスも減便がなされた事も記憶に新しく、人手不足等の問題によりこちらも更なる減便が発生する可能性は否めません。
さて、こうした中でこの5年間鉄道・BRTのメリットデメリットを周囲の話も聞きつつしっかり見極めながら自分なりにこの地域の公共交通の在り方というものを考えて参りまして、現在もその最中になります。

早速になりますが先日「第3大川橋りょう」への橋梁本体へ繋がるアプローチ高架の勾配を測って参りましたところ、35‰程度の勾配であり普通鉄道における勾配の限度に対応している可能性がある事が判明致しました(間違えておりましたら申し訳ございません、詳細 https://dic.pixiv.net/a/パーミル)
しかし清水浜駅付近の「桜川橋りょう」付近につきましては橋本体とトンネルに明らかな高低差が見受けられ、また陸前小泉や歌津付近のトラス橋群等を含めまして、これらの構造物は全て道路用の活荷重である「B活荷重」(高速道路や国道級)で設計されており、どうも現在気仙沼線に整備が進むBRT専用道につきましては「完全には」鉄道前提という訳でないようです。
ですが震災後、大船渡線の大船渡駅近くに河川改修工事に伴い建設された「須崎川橋りょう」につきましては鉄道用の設計荷重(EA-15)で建設されており(2015年2月着手、2016年7月しゅん功)、また気仙沼線にB活荷重で建設された「港川橋りょう」(2016年7月着手、2019年7月しゅん功)につきましても「須崎川橋りょう」と外観や構造等に共通している箇所が幾つか見られます。
これらを踏まえますと、トラス橋やコンクリート橋等をはじめとした幾つかの構造物は鉄道へ転用できる可能性が高く、かつどこかにその可能性を考慮したものなのではと考えております(間違っておりましたら申し訳ございません)。
(参考として気仙沼線に建設されました沖野田川橋りょう及び伊里前川橋りょうの詳細について示したページのリンクも添付しておきます https://www.smcon.co.jp/service/assets/uploads/pc-sekei/PCN239.pdf | http://www.miyaji-eng.co.jp/technology/pdf/32/w041-046.pdf )
また何よりも大船渡線との対比や気仙沼市長さんのコメント等も踏まえますとやはり、一定程度「鉄道復活」の可能性が残っているのは事実でしょう。

ただし、仮に鉄道復活をするのであれば清水浜駅付近のものをはじめとした構造物の改修は相当大掛かりなものとなる事は避けられなく、場合によっては幾つかの高架は再度作り直す必要があるかもしれません。加えて踏切も可部線復活区間等の事例があるとは言え相当絞らなければならないかと思われます、更に南三陸町内の鉄道用地や移設区間の問題等もあり乗り越えなければならないハードルは決して低くはないでしょう。
ですから今後もし「鉄道復活」を目指すのであればやはり「運動の継続」、そして何より「鉄道復活の意義の明確化」が求められてくると私は考えております。
今後それらがどのような動きを見せるのか、一沿線住民として今後もしっかりと注視していきたいと考えております。
最後にこの地域に明るい未来が訪れる事を祈って、また現在この様な時期になりますのでそちらもお体にお気を付けてお過ごし下さいませ。
長文・拙文失礼致しました。

n100teda様、再びコメントを頂きまして有難うございました。

先に返信が遅れて、申し訳ありませんでした。

ブログをお読み頂きまして、本当に有難うございます。
コロナウイルスの関連で、まだ南気仙沼駅近郊の専用道区間に乗車しておりませんでしたので、情報を頂けて嬉しく思っております。

私も勾配については注視していました。
鉄道はバスと違い坂道に弱く、もしJRが勾配だらけの専用道を多く整備してしまったら、鉄路復旧が一気に遠のくと考えていたからです。
ですが実際はn100teda様のコメント通り、多少の勾配が見受けられる区間はあるものの、技術的には鉄路転用可能と思える構造ばかりで、私はそこにJR側の誠意を感じていた処でもありました。

この9年間で私が素直に思ったのが、「自治体の政治判断の重要性」でした。
他所の鉄道存続問題を鑑みると、最後はやはり自治体の判断で全てが決まり、そこにJR(鉄道会社)や国が従ってくるという処ばかりでした。故に鉄道用地が残っている限り、大船渡線も含めて、行政のトップや議会が鉄路復活を強く発信すれば、まだまだ鉄路の道は開けると私は強く考えております。特に気仙沼線は県境を跨がず、他の不通線区よりも沿線自治体が少ないので、気仙沼市か南三陸町が強く出れば格段に可能性は高いのではないかと期待をしている処です。

今はコロナの関連で観光業が落ち込んでいますが、逆に私はこの騒動で、現在の日本にとって観光業が如何に重要性を増しているかを思い知りました。人口が減少していけば必然的に活気はなくなっていきますが、観光の方が沢山訪れれば自ずと街の衰退に歯止めを掛ける事が出来る。土地勘の無い人々にとって、鉄道は車やバスに勝る利便性を持っている事実は間違いありません。BRTのまま人口・利用者数減少による廃止に脅えるよりも、世界中の観光客の皆さんに気軽に利用して頂ける鉄道環境の整備が良いのではないかと確信出来た数週間でありました。この騒動が終わったら、改めてその重要性を発信したく考えております。

速達性の高かった気仙沼線の強みが、観光を名目に脚光を浴びる日の実現。このブログがその一助になればという気持ちで、これからも情報を発信していきたいと思っております。どうぞこれからもよろしくお願い申し上げます。

PS. n100teda様、いつか気仙沼線鉄路復旧した際には、一番列車で会いましょう!!

  • saiwaityouandkawabata
  • 2020/03/28(Sat.)

返信遅くなりまして申し訳ございません

政治判断の重要性、ひしひしと身に伝わって参りました所存です。
数年前の気仙沼市や南三陸町の議事録を拝見させて頂きましたところ、やはり同市町にも「鉄道復活」を求める議員さんが何人かいらっしゃいまして、また気仙沼市長さんの「遠い将来における気仙沼線の鉄路での復活の可能性を存置する事」という発言も含め、今後自治体のトップや議員らがどの様な出方をしていくのか引き続き注視して参りたいと考えております。

また大船渡線鹿折唐桑〜陸前矢作間の専用道を整備しない理由になりますが、国道45号線経由の方が需要や対災害性等に優れている為という話も聞いております。加えてこの区間につきましては現在上鹿折駅構内にて線路の撤去工事が進んでおり、近く橋りょう等の撤去工事も開始されるとの事です。
それから少し話は変わりますが日田彦山線については遂に「鉄道断念」との結論となりつつあるようで、当初の案より専用道が延伸なされた案(彦山駅〜宝珠山駅付近か)で検討が進められる方向となりつつあるようです(http://www.gikai.pref.fukuoka.lg.jp/oshirase/file/dayori-35-07.pdf こちらが復旧費用の詳細について記したページの画像になります)。

さて私は気仙沼線の「鉄道復活」を目指す場合、まず沿線住民・自治体側もやはり相当の誠意というものを見せていかなければならないと感じており、加えて観光"だけ"では戦えないという風に認識しております。従って今後それを目指すのであれば確かに観光も大事ですが快速南三陸を最高速度100km/hで運転するなり、BRTではなし得ない広域流動をより確保した運行体系を取るなり、より「実用性」の方に重きを置くべきだと考えております(実際陸羽西線では「快速最上川」が最高速度95km/hでかっ飛ばしてる訳ですから…)。
また周りの話を見て参りますと「車内が3密となる列車やバス等、公共交通全般がコロナ収束後の世界に於いて避けられる存在になる」「観光業も元通りになるとは限らない」という意見も見られまして、現実はそう甘くないという事も認識しておく必要があり、かつ予断を許さない状況であると考えております。
それから気仙沼線の専用道になりますが、改めて考え直しましたところ第3大川橋りょう及び面瀬川橋りょうの橋りょう本体へのアプローチ高架につきましては縦曲線(勾配部分から平らな部分へと移行する曲線部分)が鉄道のそれよりも少しきつく取られている様に見受けられ、そのままでは鉄道転用は難しいかもしれません。
従ってもし鉄道へ戻すのであれば何らかの工夫(恐らく改造工事)が必要となり、仙石線鳴瀬川橋りょうアプローチ高架の嵩上げ及び延長に近い工法を取り(但し一部の跨道桁や橋りょう本体左右の橋桁は新設か)、かつ同時に縦曲線と共に高架の勾配もより緩やかにするのではないかと推測しております(参考: 仙石線鳴瀬川アプローチ部高架橋扛上工事報告 http://www.miyaji-eng.co.jp/technology/pdf/28/w076-081.pdf)。
またこれらの高架につきましては私が先に述べた通り、場合によっては一から作り直さなければならないという可能性も考えられるでしょう。

と、ここまで綴って参りましたが…、最後に一つ面白い記事をご紹介したいと思います。
(https://toyokeizai.net/articles/amp/153444?page=2)
記事の内容を要約致しますと、津谷川橋りょう前後の専用道につきましては「BRT本復旧」容認後に列車が無理なく走行できる線形の構造物を建設したそうです。
普通に考えれば仮にBRT本復旧容認前から鉄道用の設計が存在していたとしても、「一生BRT」のつもりであれば、建設費や今後の維持費等を考慮勘案致しますとあそこまでのものを造る必要は無く、設計費が多少掛かっていたとしてもその設計は放棄し改めてBRT用に新規に設計したものを採用すると思うのですがどうなのでしょうか…?

n100teda様、いつも有難うございます。

こちらも相変わらず返信が遅く、申し訳ありません。

先に気仙沼線のBRT専用道の私見について、改めて記したいと思います。
私がブログにて「鉄路を前提としている」と断言している理由の大方が、「JR東日本が必要以上にお金を賭けて、専用道の整備を行っている」点で占めておりました。

これがJRでなく国鉄のままでしたら、鉄路への期待はしていなかったと思います。

国鉄の時は無駄に見える事業を、多額の税金を賭けて、平気で行っている様子が全国数多で見かけられました。それは今の道路建設を中心とした公共事業でも、未だに数多く見かけられるのと同じ状況だったと思います。

しかし元国鉄とは言え、JR東日本は間違いなく民間企業である事実に間違いはありません。故にかつての国鉄の様に採算を無視して、多額の費用を賭ける事業も出来ないはずです。利益とのバランスを勘案して、事業を行っていく必要があるはずです。

現にJR東日本は、この度のコロナ禍を受けるまでずっと黒字を生み出してきた大企業であるのも関わらず、赤字であった岩泉線を廃止し、只見線も廃止を行うつもりでした。民間企業としての立場で考えるなら、この流れは確かに間違ってはいない行動でもあります。

だからこそ、今の「気仙沼線への過剰投資」が、どうしても「鉄路復活前提」としか思えなくなったのが、私の私見だったのです。鉄路断念が決まったなら、「もっと安価な橋を造る」のが、今のJR東日本のやり方だと私も思っています。というより、そもそも本当に一生BRTにするつもりなら、「今の気仙沼線にあんなにお金を使っていること事体」が今のJR東日本らしくない事だと思っています。

ですので勾配についても鉄路に決まったら、JRは恐らく黙って造り替えると思っております。「BRTに合わせて設計しているので、鉄路は無理です」という理論にしてしまうと、「じゃあ何で、自分達のお金で、利益も一生でない路線に対して、あんなに莫大な投資をしてまで、わざわざBRT専用道を造っているの?」という疑問が解決出来ないので。

三陸鉄道の全線復旧は全国ニュースとして、キー局で特集すら組まれる話題性があります。ですがBRTの専用道延伸については、地方ニュースで2分位しか報道されません。ブログでも触れましたが、専用道の建設は本当に費用対効果が薄いです。そしてその事を一番良く分かっているのは、当事者であるJRだと私は思っております。

コロナ禍で確かに、この先の未来は大きく変わるかもしれません。
公共交通機関を避ける風潮も、当面は続くと思います。
ですが私は、ワクチンや薬が完成して安心出来る世の中になれば、元へ戻っていくとも思っております。通勤需要に関しては、もしかしたらテレワークの影響で減るかもしれません。ですが、観光での鉄道需要はコロナ前と同水準へ戻れるとも考えております。

その大きな理由は、「観光客の全てが自家用車やレンタカーを使う訳ではない」からです。特に東京の人は免許を持ってない人やペーパードライバーも多く、訪日外国人の多くも車という発想は出来ないと思います。それに+αで、n100teda様の記載されました通り、実用性高い方法で鉄路復旧すれば、より多くの人に気仙沼線を利用して貰えると私も思っています。私ももし同線を鉄路へ戻せるなら、「最高速の引き上げを是非に実現して欲しい」と強く願っている処です。

三陸道が出来るからといっても、仙台の繁華街へ行くなら正直、車は不利です。かつ三陸道が出来たって、やっぱり車でも2時間はかかります。その部分を気仙沼線がうまくカバーすれば、コロナ後の世界でも充分に必要な路線として、多くの方々に同線を認めてもらえるのではいかと私は信じています。

n100teda様、本当に気仙沼線について見て下さって有難うございます。
これからもどうぞよろしくお願い致します。

まだコロナ禍は続きそうですが、もう少し頑張っていきましょう!!

  • saiwaityouandkawabata
  • 2020/05/21(Thu.)

移設区間に関する見解

いつもお世話になっております、n100tedaと申します。
先日ご勝手ながら貴方のブログの方をTwitterの方で拡散させて頂きましたところ、非常に多くの反響(14〜20RT、リンククリック数104〜281)を頂いており私も驚いている所存になります。

早速にはなりますが移設ルートについてになるのですが、やはり少なくとも陸前階上〜本吉の他に陸前小泉〜蔵内間の「二十一浜トンネル」全て及び歌津〜清水浜間の「白山トンネル」の一部についてはルート移設が必要である様です。
と言いますのもその最たる理由は「付近の防潮堤がL1津波までにしか対応しておらず、L2津波発生時における避難に対応していない」という事であるからです。
また、私が先に「南三陸町内の鉄道用地の問題」として挙げましたように、同町の鉄道用地のうちの一部につきましては駐車場へと転用される事も見込まれているようです。
(それらに基づきまして、各資料等も参考にしつつ私が移設ルートを検討致しましたのでご参照の程頂けましたら幸いです https://railway.chi-zu.net/114471.html)
そうなりますと、少なくとも陸前階上〜本吉間含めまして計9キロ程(最大で計10〜12km程か)の移設が必要との試算となり、費用もやはりより嵩むという事は言うまでもないなでしょう。

ですからここは、やはりより一層「地域の相応の心構え」というものも非常に重要となってくるでしょう。
従って、沿線自治体がどの様な出方をしていくのかが今後の一番の焦点になってくるのではないかと私は考えております。
2021年には南三陸町,翌22年には気仙沼市の首長選があり、もしかするとここも一つのキーポイントかもしれません。今後もそれにつきましては引き続き注視をして参りたいと考えている所存になります。

最後に、コロナ禍もまだまだ続きそうになりますがこちらも頑張って参ります。
お互いもう少し頑張っていきましょう!!

n100teda様、こちらこそ有難うございました

先にTwitterで私のブログを紹介して頂きまして、御礼申し上げます。
一人でも多くの皆様に、気仙沼線の事について知って頂き、理解を深めて貰う事が出来るならば、ブログを掲載し続けてきた筆者として、これほど嬉しい事は無いと思っております。来るべき時がきましたら、また情報を発信したく思っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。

さて移設区間についてですが、私は清水浜~歌津と蔵内~陸前小泉の移設区間について、現在では再精査が必要であると考えております。ですので、ブログでは敢えて本吉~陸前階上の絶対的に必要な移設のみ記させて頂きました。

というのも、JRがこの移設案を示したのが2013年(平成25年)、つまり今から7年も前であるからです。あの頃に予定されていた防潮堤の場所や高さ、また街づくりの計画等も含め、様々な部分が今では沢山変更されておりますので、個人の考えとしては清水浜~歌津と蔵内~陸前小泉はもう一度本当に移設が必要なのかを再検討しても良いのではないかと考察しております。

実際、福島県の只見線は当初にJRが示した案よりも安い費用で、復旧工事に着手する事が出来ました。2010年(平成22年)に岩泉線が土砂崩れで不通となった時から薄々勘づいてはいたのですが、JR東日本という会社はとにかく、運行上の安全を最優先で復旧費を高く見積もる傾向にあります。2015年(平成27年)の山田線脱線事故の復旧工事の気合の入れ方は、JR北海道や他所の財政事情の厳しい第三セクターの鉄道会社さんでは、とても真似出来ないのではないかと驚いた事を今でも覚えています。実際BRTの専用道の工事もそれが顕著で、とにかく費用を度外視して安全を優先している姿勢が印象的な処でした。

そのため、例えば来年の沿線自治体での首長選挙で潮目が変わり、鉄路復旧に向けた議論が行われるとするならば、只見線のように交渉次第で、移設案の見直しや復旧費用の縮減も可能になるのではないかと私は考えております。

もちろんJRが廃線ありきで考えているなら、従来の案をごり押しして応じない可能性もあるかもしれません。ですが私は、自治体がやる気を見せれば、少なくとも気仙沼線については、交渉のテーブルへついて頂けるのではないかと考えております。鉄道に戻す気が無いなら、最低限の費用だけでお茶を濁す事も出来たのに。それをせずに異常な位に今でも気仙沼線復旧にお金を注ぎ込んでいる姿勢は、寧ろ「早く鉄路復旧補助金を出して下さいよ!」というJRからの催促にすら見える気がする今日この頃です。

ですがこの議論を始める前に、やはりコロナ社会をどう乗り切るか。
たった数か月で、事態は大きく変わってしまいました。
自粛という言葉すら頭の片隅にもなかった頃に戻っていかないと、気仙沼線以前に世界の未来が無い気がしています。出来ることをしながら、とんでもならない事にならぬ様に見守っていきたいと思っております。

n100teda様もどうか、お体大切に、お元気で。


  • saiwaityouandkawabata
  • 2020/07/01(Wed.)

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