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気仙沼線の必要性を訴えるブログ

このブログは廃線の可能性が示唆されている気仙沼線について、鉄路による復旧を心の底から願っているある利用者が、存続を訴えていくブログです。 利用者として見てきた私の視点から、気仙沼線の必要性について記していきます。 少しでも鉄路による復旧の理解に繋がれば、嬉しく思います。 管理者

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気仙沼ー仙台直通快速を利用して~某党とは真逆を実感した日~



10月9日(月)早朝、気仙沼駅にある利用者が姿を現した。
6年半ぶりに目にした電光掲示板を確認すると、嬉々とした気持ちに表情が緩む。
「全く、999だって1年に1本はあるのにな」と皮肉混じりに考えながら、いそいそと列車に乗り込んで行った。

(・・・掲示板、快速表記欲しかったなぁ)
まぁでも、こんなにワクワクした気持ちで列車に乗ったのは、本当に久しぶりであった。

8時12分、列車は気仙沼駅を出発する。
出発直後の車内アナウンスでは確かに「次は終点の仙台に停まります」と話している。
・・・斬新だ。震災前では絶対に有り得なかった放送だ。「これは記念に録音でもしておけば良かったかなぁ」と思っても、もう放送は終わっているのだから仕方が無い。

8時30分頃、まずは折壁駅に運転停車した。
列車行き違いを行う為、2分程度停まる。
停まっている間に車内を歩いて見ると、きちんと地元の人っぽい方も多く利用しているのが分かった。
出発前、いわゆる趣味で乗りにきたと思われる人達が写真ばっかり撮っていたので、何となく不安だったのだ。

「物好きしか乗車してないでしょ?」と言い掛かりをつけられるのだけは、絶対に嫌だった。
「私のように必要としてくれる人達が居るんだという事実を、この列車は示してくれている。」そう安堵出来た2分間だった。

大船渡線の主要駅である千厩や摺沢を通過しながら、列車は快走を続けていく。
そんな中で次の運転停車駅である真滝には、9時15分頃に到着した。
列車行き違いの運転停車なのだから時刻表では当然、通過扱いだ。
だが乗っている側からすると、「千厩や摺沢は停まんないのに、真滝には停まるのかよ!?」とツッコミたくなってくる。中々面白いなと耽っていると、あっという間に列車は国道284号線と併走を始めた。もう一ノ関である。

車掌のアナウンスが響く。
「一ノ関では列車の進行方向が変わります、リクライニングシートを回して下さい」
・・・車掌からシートを回してくれとお願いされたのは、私は初めて。成程、行程としてはまだ4割しかきていない。趣味っぽい人達と違って地元っぽい人達は、シートを回すレバーを車掌のアナウンス通りに懸命に踏んでいるようだった。

ふと時計を見ると、9時20分過ぎ。一ノ関まで1時間と10分ちょっとできた。
これは早い。超、快適だ。なんて素晴らしい列車なんだろうと思った。だが仙台到着は11時10分のはずだ。ここからだとそこまで時間は掛からないはずだが・・・。そんな疑問を感じていると、車掌が続けてアナウンスした。

「なお、一ノ関では20分停車致します。発車は9時45分です。ドアは開きませんので、ご注意下さい。」

「えーっ、20分も停まんの!?」
ショックを受けた私は、地元っぽい人達のような回し方をしてしまった。

あー、そりゃ3時間もかかるわなぁ。もったいない・・・


定刻通りに一ノ関を出発した列車は、いよいよ東北本線へ入った。
ここから先は複線なので、行き違いによる運転停車は有り得ない。
だが私には気になる事があった。この列車は終点までノンストップのはずなのに、仙台まであと1時間25分掛かる設定なのだ。普通列車で1時間30分なのに、どういう事なんだろうか?

その答えはすぐに、私の実感として表れた。
スピードが遅い、遅い、・・・おそーい!!
東北本線の普通列車は90キロ以上でぶっ飛ばして行くのがデフォなのに、まぁ遅い!!!
何てもったいない走り方をしているんだろう・・・。

10時25分頃、列車は停車速度で小牛田駅構内に進入していく。
スピードの遅さに少し苛立ちを覚えていた私は列車に邪念を送るべく、ヘイスト系の魔法を詠唱していた。だがその目論見が露見したのだろうか、JRは4番線に停車していた気仙沼線の柳津行を繰り出してきたのだ。詠唱を中断した私はうっかり、呟いてしまう。
「そっか・・・。もう小牛田なんだ」っと。小牛田は近かったのだ。

震災後の私にとって、気仙沼と小牛田が近くに感じた事など一度も無かった。いつもいつもこの経路で往来する時は、「まだ小牛田か・・・」と残念がるだけ。
気仙沼から来れば「まだ仙台着かないんだぁ・・・」、仙台から来れば「またBRTかぁ・・・」とがっかりしてくる。気仙沼が遠い事を認識する、そんな場所だったのだ。
「気仙沼なんてすぐ着くじゃない!!」と思えたのは、
実に6年半ぶりの事であった。


もちろん所要時間で見れば、ここまで2時間10分。昔の気仙沼線(普通)は2時間でここまで来た。金成回りの高速バスなら今頃、大和か泉の辺りだろう。だが、それでも、快適な空間とは刻を忘れさせてくれる。今後の往来の主軸にするなら、私は絶対、コレを選ぶだろう。


さて、魔法がかからなかった列車は、相変わらずの低速走行を続けていた。しかし一度近いと思った私には、もうそれはどうでもいい事だ。
この6年半、車でも高速バスでも、「まだ着かない、まだ着かない、気仙沼は何て遠いんだ!!」が口癖だった私。こんなに清々しい気持ちになったのは、いつ以来だったろうか。
そう思いながらぼーっとしていると、車窓には東北歴史博物館が目に入ってきた。さぁ、仙台はもう目前だ。

11時10分、定刻通り仙台に到着する。
相変わらず趣味の人達が写真を撮っている様子が見受けられたが、今度はそんな事に何の感情も抱かない。ただ一言、思う。
「今から同じ列車で、気仙沼戻ってもいいなぁ・・・」と。
仙台と気仙沼を身近に感じさせていたあの頃を想いながら、心の涙を拭うと階段を上がった。


某党は従来の在り方をリセットし、しがらみに囚われない新しい政治を目指すと言った。まあ政権を担うどころか野党第一党にすらなれず、「絶望した!!」と叫ぶ議員さんで溢れ返っているようだ。

そんな中でJRは従来の「直通快速の運転については、慎重に検討します」という考え方をリセットして、支社境というしがらみを越えて、快適な列車を運転した。確かに高速バスより時間も掛かり、正規料金も高い。だが「快適だった!!」と心の中で叫ぶ利用者は、数多くいたと私は確信させて頂きたい。


仙台~一ノ関は高速走行で間違いなく、1時間10分以内だ。一ノ関での停車を5分に抑えれば、
確実に仙台~気仙沼は2時間30分を切れるだろう。


この状態で、定期運行及び気仙沼線経由と同等の料金にして頂けるなら、仙台へのアクセスという面では充分合格点だと思った。

もちろん今でも、私は気仙沼線の鉄路復旧を絶対に行うべきだと思っている。早く鉄道軌道整備法が改正されて、
もう一度鉄路復旧に向けた議論を再開して欲しいと願っている。

だがまずはこの快速列車に希望ある未来を預けて、今後を見守ろう。
気仙沼と仙台を再び近くする、それが草の根からの民意だと信じて・・・


次回は鉄道軌道整備法が改正されましたら、更新致します。
(もちろん他に動きがありましたら、随時掲載予定です)
よろしくお願いします。

筆者
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速報:気仙沼~仙台間の、直通快速列車が運転決定!!

・・・まあ速報と言いつつ、10日以上前の情報なのですが。
忙しくて更新を怠っていた事をまず、お詫び致します。


ですが・・・、やっと来ましたね。
本当に、やっと。
期間限定の臨時運転ではありますが、本当に、嬉しい。



この度、仙台~気仙沼間に、直通快速列車が運転される事が決定した旨、皆様にお知らせ致します。



気仙沼~仙台間に於ける、直通快速列車の運転について(JRの発表)

気仙沼~仙台間に於ける、直通快速列車の運転について(気仙沼市の発表)

(各々リンク切れはご了承下さい)


もちろん中身については、色々言いたいことはあります。

「なんで3時間もかかるんだ?」とか、

「一ノ関や小牛田は停めても良いんじゃね?、っていうか一ノ関はスイッチバックするから絶対停まるじゃん!!」
とか、まぁ色々・・・。

ですが、まずは乗ってみないと!!

今回はスケジュールが合いそうなので、利用させて頂きます!!!
乗車した上で、気仙沼線の快速列車代替になりうるかどうかを勘案しながら、ブログにて報告させて頂ければと思っております。




・・・かつて仙台と気仙沼は、快速南三陸という列車にて結ばれていました。

車よりも速く、高速バスよりも快適に両区間を結んでいたこの列車は間違いなく、仙台から遠い気仙沼という場所を近づけてくれた存在でした。多くの利用者で賑わっていた光景を今でも、私は忘れる事が出来ません・・・。

気仙沼線の鉄路復旧への道を閉ざすという事は即ち、気仙沼を仙台から遠ざける事を意味する。

だからこそ、永遠にそのままという事だけは、絶対に避けなければいけない。

この列車が運転される事、まずは喜びたいです。

希望ある未来方面へ、出発してくれる事を願っています。

筆者

未来⑤:これからの気仙沼線を考える


柳津駅から延びる線路は、何処へ向かうのだろうか・・・。

この1年、私はブログを放置していました。
理由は簡単で、記す事が何も無かったからです。

ですが遂に、気仙沼線の未来を考える時がきた気がします・・・。

もし更新を楽しみにして下さる方がいらっしゃいましたら、先にお詫び申し上げます。


まず初めに、平成29年8月25日、JRと気仙沼市の約束が遂に履行される事になりました。

気仙沼発 仙台往復きっぷ平成29年10月1日より発売される旨を報告させて頂きたく思います。

気仙沼発 仙台往復きっぷについて(JRの発表)
気仙沼発 仙台往復きっぷについて(気仙沼市の発表)
(各々リンク切れはご了承下さい)

このブログで何度も記させて頂きましたが、気仙沼線の主要な役割とは正に、仙台と気仙沼を高速で繋いでいた点にありました。仮に鉄路を断念せざる得ないならば、その代替として上記のきっぷの販売を気仙沼市は求めていたのです。

まずはJR東日本に約束の履行を果たして頂いた旨、御礼申し上げたいと思います。

ただ、きっぷの詳細を見ましたが・・・
これはちょっと・・・、もう少しどうにかならないかなっていうのが正直な処です。

今日はその問題点と、今後の気仙沼線について考察したいと思います。


(1)きっぷの問題点
 
 先に私の感覚では、このきっぷは気仙沼線を用いて仙台⇔気仙沼を行き来していた人の代替商品であるという基本姿勢がありました。その前提だと・・・

①料金が中途半端に高く感じる

 これは否めないです。片道3850円なのですが・・・。

○震災前の気仙沼線の快速  2270円(正規料金)⇒約2時間
○現在も運行中の高速バス  2000円(正規料金)⇒平均2時間30分

○新幹線with大船渡線(上記)  3850円(割引料金)⇒平均2時間

さあ、これをどう見るべきか!!
270円位なら気になりませんが、1850円はどうでしょうかね?


前回(1年前)もブログに書きましたが、無理なんですよ。やっぱりこれは。
だって仙台⇔一ノ関の新幹線料金って、1840円なんですよ!!


下手にこのきっぷを2270円で販売したら、間違いなく合法不正が横行するでしょう。「一ノ関に用あるんだけど、このきっぷを買えばお得なんだよねー。」と言われれば、JRもたまったもんじゃないとは思います。

だからJRの姿勢だけは、理解したいと私は考えています。
ですが、片道3850円では・・・。個人的には、往復6000円が限度なイメージでした。


②そもそも、発売駅と形態がおかしい

私が同線を利用する(してた)際、基本は気仙沼→仙台(片道のみ)とか仙台⇔気仙沼(往復)が一番多い感じでした。このきっぷが出ると分った時、「料金は高いがとりあえず利用して見るか・・・」と思ったのです!!

ですが、そこには注意書きがあって・・・

○気仙沼・陸前高田・盛でしか販売しません
○気仙沼→仙台、仙台→気仙沼のパターンのみしか販売しません


はっ?・・・

えーーと・・・・・・使えねぇ-------------泣 



めちゃくちゃ、がっかりしてしまった。
いや往復でしか売らないのは、確かに想定内ではあったのだが。
まさか全部盛岡支社管轄扱いの切符で、仙台方面の駅からでは何処からも買えないなんて・・・。

残念だけど、これはダメだと思う。

地元の人でこの切符を買うのは、高速バスが苦手な年輩者だけじゃないだろうか。
値段を鑑みる限り、これでは車や高速バスに転向したかつての気仙沼線利用者は、JRへは帰ってこれない。この方々は安さと快適性を天秤にかけて、相対的に判断される人々が多いのではないだろうか?

もちろん帰省客や観光客は別で、多少高くてもおトクなら、新幹線で一ノ関回りのこの切符に流れると私は見ていた。こちらの方々は安さよりも、まずは利便性を優先する傾向が強いと考察されるからだ。なのに、地元の人限定商品って扱いなのぉ・・・。


すまないが、このきっぷでは気仙沼線の代替にはなりえないだろう。
全然ニーズにあって無い切符程、悲しいものはない・・・

きっぷの値段に限界があるなら、やはり気仙沼線鉄路復旧を再考するのが、この問題の解決になると私は思っている。

(2)これからの気仙沼線を考える

 今月(8月)の上旬、私が待っていた出来事が遂に現実になろうとしている報道があった。
 それは自民党の国土交通部会にて、鉄道軌道整備法改正案が了承されたという内容のものであった。これまで「国は黒字企業であるJR東日本へは公的支援は出来ません」とされていたが、それを改めるのが今回の改正案である。次の臨時国会で正式に可決、成立するだろうと見込まれているようだ。



 やっときたか・・・・。6年も待ちました。




 
 忘れもしない2年前の6月、「今の法律では、気仙沼線に国費は出せません!!」と言われたあの日。その憤りは今でも、BRTを見る度に、乗る度に思い出してしまいます。「一生このままなのか・・・」と、失望感しか持てなかった残念な日々。



 それが・・・、ようやく変わる!!


 正式に改正案が成立しましたら、ブログにこの内容に関する詳細を掲載したいと思います。次回の更新をお待ち下さい。

 ですが先行して言えるのは、やっと気仙沼線の鉄路復旧に向けた議論がスタート出来る所にきたと言う事です!!

 「気仙沼線はさ、もうBRTになっちゃったんでしょ?今更、そんな法律改正されても無駄だよ」
と言う人がいます。

 ・・・本当にそうなんでしょうか?


 前回のブログで書きましたが、気仙沼市はJRに対し「鉄路復旧の存置をする事」を要望し、JRもそれを否定しませんでした。

 そもそも一番最初にBRTで仮復旧をした際に、JRと自治体の約束で「安全の確保された鉄路復旧を目指す」事も紙に明記されていました。安全の担保費用が国から一切出ない事から、今に至った訳です。

 何より心強いのは、JRが鉄路としての廃止届を出していない事です。

 JRは費用問題さえ解決すれば、必ず鉄路復旧を行ってくれると私は確信しています。 だからこそ、今、大船渡線も含んだ同線の未来を考える必要がある。

国費を入れるという事は、路線に対してそれなりの責任を持つと言う事です。

ただ何となくBRTより鉄道の方がいいという考えでは、「んじゃ、BRTでいいじゃん!!」と突っ込まれてしまうでしょう。
鉄路でなければならない理由を明確に示した上で、その費用効果にどれだけ答えられるのかを考える時だと思います。

それがこの先にある、費用負担問題の解決に繋がると考える所存です。答えられるのならば自ずと費用を出し合って鉄路復旧しますし、答えられないならばずっとBRTのままなのでしょう。

 ・・・気仙沼線の明るい未来を描きながら、次の情報を待ち続けたいと思います。

筆者
 

第10回:移設ルートを考察する ~残された鉄路の可能性から~

2ヶ月前、遂に気仙沼線は鉄路での復旧が断念されました。
しかしながらその合意文書を見ると・・・

気仙沼市
「遠い将来における気仙沼線の鉄路での復活の可能性を存置すること」に対して

JR
「新たな社会経済情勢に適合した地域交通の維持・提供を目指します」と記されていました。つまりこの回答には、どこにも鉄路の否定がありませんでした。

という事は・・・、やはり気仙沼線の鉄路復活の可能性だけは担保されているのだと私は信じています。今回はその可能性を、JRが鉄路復旧条件とした移設ルートに照らしながら考察していきましょう。

先にJRが示した移設区間について、説明致します。


<JRが示した区間>
①清水浜~歌津間の約2km(トンネルの付け替えの為)
②蔵内~陸前小泉間の約2km(トンネルの付け替えの為)
③本吉~陸前階上間の約7~8km(津波対策として、山側へ線路移設)

計11~12kmが、その対象区間となっておりました。

2年前にこの資料を読んだ私は、てっきりJR側の提示案に基づいて鉄路復旧が行われると思っていましたが・・・。今は置いておきましょう。

私はJRのこの移設案を評価していました。
BRTの仮復旧の条件が、「安全の担保された鉄路復旧を目指す」だったからです。それに基づいた内容だと素直に思いましたし、「JRは安易に同線を切り捨てるつもりはないんだな」と感じて、当時は嬉しくなった事を今でも覚えています。

特に本吉~陸前階上間の山側移設は、私も賛成でした。

 あの区間は海沿いに線路が引かれていた為、津波の被害が特に甚大でした。また気仙沼線内で最も減速して走っていた区間もここでありましたので、「いっそ山側に移設して、速達性向上を図れば良いのではないか?」と考えていた位でした。一部には「移設すれば、海が見えなくなる」、「大谷海岸が駅から遠くなる」といった反対意見もありましたが、利用者としては「気仙沼線の安全性の担保と速達性向上の方がよっぽどプラスになる」と感じていました。今でもこの考え方は、変わっていないと思います。

ですので、私はJRが無茶な事を言って気仙沼線の鉄路復旧を断念させたとは思ってはおりません。
あの資料を見て寧ろ、私は「JRはよく見ているなぁ」と感心した位でしたので・・・。

・・・だから何だかんだで、私はJRを信用してるんでしょうね。
故にこそ鉄路を否定しなかったJRに、まだ期待しているのです。




さて、では鉄路の可能性を探ってみましょう。
まずは、JRが主体となって復旧する場合から行きましょう!!
その場合は、移設費用400億がポイントになると思います。

<JR主体の復旧の場合、移設費用は誰が出すか?>

●A,JRが出す
最も可能性が低いですが、実は有り得ます。JRが「新たな社会経済情勢に適合した地域交通の維持・提供を目指します」と明言したからです。つまり誰の目から見ても明らかに気仙沼線が鉄道で採算が取れる路線となれば、絶対に復旧します。それが、この言葉の意味だと私は思います。ただその為には、沿線自治体に仙台レベルの都会になって貰わねばなりません。乃至は沿線住民の車の利用を規制して、気仙沼線に誘導するとか・・・。0.001%位の確率に思っておいて下さい。



●B.国が出す
これが一番、無難だと思います。

  っていうか、これが本来の姿のはずだったのですが・・・。

ですが道のりは遠いものとして考えねばなりません。復興予算の適応外扱いを同線は受けた訳ですから、今からその適応を受けるのは難しいでしょう。
ならば・・・「JR(黒字企業)は国の支援を受けられない」という馬鹿な法律を変える方が、よっぽど早いです。即ち鉄道軌道整備法を改正し、支援が受けられるようにするのが良いと私は思っています。只見線沿線自治体が中心となって活動しているこの運動が実現すれば、移設費用の3~5割は国の負担になると私は見ています。

ですがこの2、3年の間、私も只見線の動きを
注視してきましたが・・・、難しいですよね。

向こうはJRが「鉄路で復旧したくない」とほぼ名言しているのもあるかもしれませんが・・・、先が全く読めない現実は受け入れないといけないのだと思っています。

また大事なのが、この鉄道軌道整備法が改正されても国は補助であるという点です。
三陸鉄道のように、全額国費では無いのです。


仮に200億が国費となっても、残りはどうすればいいのか・・・

Cへ行きましょう。

●C,県と自治体が出す
一部の負担は、ここから出すのが筋になると私は思います。
宮城県(村井知事)の意向は、「ずっと沿線自治体の意向を尊重する」でした。つまり地元がBRTから鉄路に戻すと言ったら、ある程度は協力するものと私は受け止めています。宮城県は金が無いと良く聞きますが、その割りには仙台空港鉄道が建設されたりと寛容な部分がありました。同列に語るのは安易ですが私は気仙沼線が如何に県全体に良い影響を与えられるか、それが説明できれば今の県政なら一部負担をして頂けるとずっと考えていました。速達性ある気仙沼線だからこそ、その説明も出来るとも思っていました。空港線や東西線と違い費用負担後の赤字をJRが補う点からも、メリットのある支出だと信じていた次第です。
400億は無理にしてもBが可能となったら、自治体と協力し合いながら前向きな検討を願いたいと今でも思っています。・・・まあ志津川の行政が変わんないと、どうしようも無いんですがね・・・。



因みに・・・
●D,トランプ氏のような大富豪が、400億を寄付
⇒う~ん、そうなれば涙物ですね。



つまり、復旧総額700億を

JR:300億(JRが明言した負担分) 国 :200億(鉄道軌道整備法改正)
県・自治体・募金等:200億

で解決すれば、JRの鉄路復旧が実現出来るという訳です。  

そのためには鉄道軌道整備法改正が必須であり、それがいつになるのか・・・大きな課題です。  




以上から、『JR主体の復旧が実は不可能では無い旨と、遠い道のりである旨』の2点がお分かり頂けたと思います。
一言で言えば、JR主体の早期鉄路復旧実現は難しいと言う事です。

では・・・、早期実現の為にはどうするか?
いくつかあるのですが、一つだけ公表したく思います。

実は山田線のように第三セクター方式なら、すぐ出来ると私は考えています。つまり、「JRが300億賭けて復旧させるから、地元で第三セクター創設して、運営してね!!」という方式です。山田線の例を鑑みる限りでは、JR主体で復旧させるよりも断然早く鉄路復旧が出来ると思えますし、それだけの価値も同線にはあると私は確信している次第です。


ですが・・・、これ、とても難しいんですね。
もう、気仙沼市がJRと合意しちゃいましたので。
あまり詳細を記したくないので軽く触れる程度に記しますが・・・

志津川が来年仮に方針転換出来たとしても、気仙沼市はこれに合意出来るんでしょうか?



来年の今頃、JRが『東北新幹線で仙台⇔一ノ関間を利用し、一ノ関⇔気仙沼間は大船渡線を用いた場合でも、運賃は気仙沼線経由とほぼ同じ料金とする期間限定の割引切符を導入』し、『仙台~(東北本線)~一ノ関~(大船渡線)~気仙沼というルートで、快速列車の運転も実施』していた場合・・・、

仙台へのアクセスがやっと解決で出来たのに・・・

自分達で維持費を負担し、利用者の運賃も値上がりしてしまう第三セクター方式をわざわざここで採用するでしょうか?


気仙沼市全体で考えれば、それでも鉄路でしょう。
ですが旧気仙沼地域だけで考えれば・・・、皮肉な現象になるでしょうね。


因みに気仙沼地区利用者としてなら、私も渋るんでしょう。
「もう大船渡線で昔と同じになりつつあるし、今更第三セクターで復旧されてもなぁ・・・」って気持ちは抱くんでしょうね。
だから志津川、あの時騒いでおけば良かったのに!!本当、この馬鹿!!


やはり残りの人生を使って、注視していくしか無いんだと思います。
希望だけ捨てずに、待つとします。



ところで最後に一つだけ。
もしかしたら、お気づきの方もいるかと思いますが・・・

柳津~志津川間って、JRが示した移設の対象区間でしたっけ?

JRは現状復旧費用は出すって言ってませんでしたっけ?

っていうか前回の記事に掲載した行先表示器順位表に、「陸前戸倉」ってありましたよね?
  
   これ、何だかおかしくないですか?


簡潔に言います。  
『柳津~陸前戸倉~志津川までの鉄路復旧は、絶対に出来るんです!!』


 だって志津川までは移設の対象区間ではないですし、陸前戸倉の手前までは線路も残ってますし、そもそも「陸前戸倉」っていう行先表示が追加されているじゃないですか!?

    本当にどういう事なの?

お隣の路線は高田の市長が、陸前矢作までの鉄路復旧を会議で質問したんですよ。
志津川は何してんの?


BRTが前谷地まで来たから要らない?
あんな物で本当に利便性が高まったと思ってんの!?

三陸道が伸びるから不要?
渋滞だらけの三陸道に何を期待するの!?

ふざけるのも、いい加減にしろ!!

・・・失礼しました。
つまり志津川までは鉄路の実現性が凄く高いのに、そういった議論が全く聞こえてこないのです。

 何かウワサだと「気仙沼線の土地を確保するのを復興計画に入れ忘れたからだ」とか、「復旧費を出したくなかったとか」聞きますけど・・・、何れにしても有り得ない対応でしたね。
きっと何言ってもダメなんでしょう。
 
 来年、志津川(南三陸町)である事があります。詳細は記せませんが、そこでもし志津川が方針転換すれば、私は志津川駅までなら鉄路復旧が実現する日は近いと思っています。

まずはそこに期待したいです。
本当に志津川まで直るだけでも、全然違う。


仙台へのアクセス向上と住民意識の鼓舞、この足し算の答えが復興への希望です。



気仙沼線の鉄路は難しい、でも希望はある。特に志津川までなら、かなり現実味がある。
この事実を刻みながら、この章を終えます。有難うございました。


次回の更新は吉報か悲報か・・・、お楽しみに!!

by管理者

未来④:気仙沼線の合意内容が語る道筋~還るもの・失うもの~


・・・この順位表の47番や、71番、願わくば48番が点灯する日を祈っている・・・。

まず初めに、「気仙沼市はよくやってくれた」と私は思っています。
本当にお疲れ様でした。

 でもやっぱり、残念でならない。これが正しい答えだとは思えない。それが私の正直な気持ちだ。JRと気仙沼市にこの結論を導かせた国、そして簡単に諦めた南三陸町行政の愚考を、私は生涯忘れない。

 さて今回は、気仙沼市とJRの合意内容を見ていこうと思う。
気仙沼市の公式発表を、私なりに分かりやすく解説していく。

気仙沼市の公式発表
例の如く、リンク切れでしたらご了承下さい。


<気仙沼市とJRの合意内容>
大きく分けて三点ですが、このブログでは特に二点目について詳細に取り扱わせて頂きます。

●一点目
 JRはBRT本復旧に当たり、今後も運行頻度・時間短縮等といった利便性向上に努める。

⇒これについては、私からは特にコメントはありません。何故なら、既に合意していた他の自治体も同様の要望をしていたからです。もちろん、これだけでは気仙沼市は合意しなかったでしょうし、私も絶対に評価する事はなかったでしょう。次が本題となります。


●二点目
 JRは気仙沼~仙台間のアクセス向上を、以下3点で努めていく。

⇒このブログで私が何度も指摘した通り、ここが最大のポイントでありました。JRが何処まで妥協するか。本当によく、気仙沼市は頑張ってくれたと思っております。


■①東北新幹線で仙台⇔一ノ関間を利用し、一ノ関⇔気仙沼間は大船渡線を用いた場合でも、運賃は気仙沼線経由とほぼ同じ料金とする期間限定の割引切符の導入を、JRは検討する事。■
⇒・・・実はこれ、私は無理なんじゃないかと思っていたんですね。期間限定とはいえ、よくやってくれたと思います。

 震災前、仙台⇔気仙沼は快速列車で2時間、正規料金2270円でありました。今の気仙沼線はBRTという使えない代物なので、4時間もかかります。これが解決しない限りは、絶対に鉄路以外選択はないと思っていた次第です。ですが気仙沼地域だけは例外で、これを解決できる術がありました。それが①で示したルートなのです。

 具体例を挙げます。仙台12時17分発に一ノ関停車のはやぶさ号があるのだが、それで一ノ関まで出て、そこから12時45分の気仙沼行きの大船渡線に乗り換えた場合、気仙沼は14時09分に到着する。・・つまり1時間52分で、仙台から気仙沼へ向えるのだ!!
 
だが・・・料金は4860円になる。気仙沼線経由の2倍近い運賃だ。こんな話しは無い。だから気仙沼市は「気仙沼線で2時間で仙台まで行けない状態を一生続けるなら、このルートを気仙沼線経由と同等の運賃にしろ!!」と交渉していたのである。しかし一ノ関から仙台までの新幹線特急料金が1840円もするのに、JRは了承出来るのだろうか?

 ・・・期間限定とはいえ、よくやってくれたと思います。これが実現すれば、私も純粋に嬉しい。では2つ目、行きましょう。




■②JRは仙台~(東北本線)~一ノ関~(大船渡線)~気仙沼というルートで、快速列車の運転検討する事。■
⇒もういいでしょう。私が『未来③:気仙沼線沿線自治体首長会議Part3 導かれた未来』で言いたかったのは、正にこれです。この快速の運転が行われない限り、絶対にBRTは認められませんでした。これも具体例を示そうと思います。

 まず仙台⇔一ノ関ですが、この区間は停車駅を小牛田のみとすれば1時間ちょっとで行く事が可能なんです。運転を終えたカシオペア号は、仙台⇔一ノ関間を1時間7分で結んでおりました。一ノ関⇔気仙沼間は普通列車で1時間20分、当然快速列車ならば10分~15分の短縮は可能です。(気仙沼線は気仙沼~小牛田間の普通と快速の差が、30分でありました)・・・となれば快速列車で仙台⇔気仙沼は平均2時間10~20分で行ける。私はずっ~と、そう思っていたのです。確かに昔よりは10~20分程遅くなりますが所要時間は高速バスより短く、かつ定時性も担保されます。後は料金を気仙沼線経由と同等にすれば、この問題は解決してしまうのです。大船渡線で、気仙沼線が担ってきた役割を果たす。これが実現すれば、私自身は安泰です。


 実は私は仙石線が不通の時に運転されていた仙台~(東北本線・石巻線)~石巻の快速列車を見た時、既にこの事に気が付いていました。小牛田回りのこの列車が石巻まで1時間ちょっとで行けると知った時、「震災前の仙石線普通列車より速くね?」と思ったんです。それが、この発想のきっかけでした。

 ですがそれを大っぴらに言う事は、気仙沼線の復旧価値を下げる事になると私は感じていました。お偉いさん方に「大船渡線で何とかするから、気仙沼線直さなくていいよね?」という発想をして欲しくなかったのです。これはあくまでも気仙沼地域だけの解決方法であって、志津川・歌津・本吉には関係のない事でしたから。利用者としてはずっと前から「これさえあれば、文句無いのに!!」とよく思いましたが、志津川が馬鹿な事を言うまでは発言を控えるようにしていました。・・・きちんとこの実現を方々に陳情してきて、本当に良かったと今は思っています。


 以上の2つが、気仙沼市が結論を引き延ばした意義であり、市長が「大きな成果」と評価している部分だと私は思っております。この2つ、即ち仙台から気仙沼までのアクセスを震災前水準へ戻してもらう事こそが、とても大事な事だったのです。震災前よりも不便になるようでは、復興に結びつく訳がありません。だからこそ私も、この事案を評価し歓迎したいと考えています。

 ・・・ですが、まだ安堵は出来ません。皆様、何故だかお分かりになるでしょうか?

 ・・・これ、全て検討するなんですよね。

 以前、「移設費用の捻出を検討しています!!」と言って1年4ヶ月も放置した挙句、何もしなかった最低な馬鹿共の先例があったりしますので。「検討したけど、ムリ~」とか、「割引きっぷ、4000円で売りましょう!」とかでは話になりませんよね。


  もう少し、注視していく必要があります。
   まだまだ、気が抜けません。





 あっ、3つ目を記しておくのを忘れましたね。

■③恒久化する気仙沼線BRTについて、JRはBRT(バス)を用いた仙台へのアクセス向上を検討していく。■


⇒これは既に志津川(南三陸町)もこの条文を前提に合意していたので、特にコメントはありません。ただBRT(バス)でどうやって、仙台へのアクセス向上を実現するんだろうなーっと。確かにいくつか考えられますけど・・・、見物ですね。私自身はBRTの前谷地延伸なんかより、陸前戸倉までの鉄路復旧の方がよっぽどアクセス向上に繋がったと思うんですがねぇ~・・・。

それでは三点目、行きましょうか。

●三点目
 JRは気仙沼市と共に、道の駅大谷海岸(はまなすステーション)の再建に協力する。
⇒唯一、これは確約で合意致しました。計画段階から協力頂けるという事実は、準地元民としては喜ばしい事だと思います。気仙沼市としても鉄路から外れる本吉地区の観光振興をJRと共に担っていける事は、代価としては充分だったのではないでしょうか。同地域に対するJR東日本のこの姿勢を、私は評価したいと思っております。

以上の三点が、大きなポイントになるかと私は考えております。


 検討という言葉や、具体的な内容(割引切符の期間,値段,直通快速の運転の時期等)が示されていないのが心配の種ではありますが・・・
これが全て実現するならば、気仙沼地区の利用者としては合格点だと思っています。

 国や志津川の冷たい北風に吹かれる中で、気仙沼市はよく頑張って下さいました。またJRが同市の要望を聞き入れ善処して下さった姿勢に、御礼を申し上げたいと思っております。



[今回の合意で、気仙沼地区の利便性は還る事が出来ました。]
 即ち、『仙台へのアクセス』については、震災前水準へと回復する見込みとなりました。この事実は必ずや今後の復興に於いて、新しい光となっていく事でしょう。
 
 速達性ある鉄路の復旧、これ無くして復興なんてありえません。震災前より不便な乗り物なんて、復興に寄与する訳ないのですから。



[そしてこの合意によって本吉・歌津地区の鉄路復活の可能性は、ほとんど失われました。]
 これまでの流れを振り返れば、すぐに分かる事です。志津川~気仙沼間の鉄路復旧は移設が認められない限り、JRは動きません。費用捻出しようにも、国は無視。南三陸町は、何とかなるはずの陸前戸倉までの鉄路復旧すら諦観してしまいました。同町で発足した鉄路を求める住民団体の力で、もしかしたら志津川までは鉄路復旧する未来はあるかもしれません。それはそれで応援したいのですが、その先には気仙沼市が控えています。10年後とかに「志津川~気仙沼間は第三セクターで鉄路復旧出来るよ」とか言われても、上記合意内容が既に履行状態の気仙沼市にとっては戻すメリットが少なすぎるのです。

一応気仙沼市とJRの合意文書には・・・

気仙沼市
「遠い将来における気仙沼線の鉄路での復活の可能性を存置すること」

に対して

JR
「新たな社会経済情勢に適合した地域交通の維持・提供を目指します」

と書いてありました。ですから鉄路の可能性は、残ってはいます。しかしJRによる鉄路復旧は99%は無いと言えるのも事実なのでしょう。JR主体でなければ、多分、気仙沼市は鉄路復旧には消極的となるはずです。一番の課題だった「仙台へのアクセス」が、もう解決している予定なのですから。
・・・だから志津川、あの時に騒いでおけば良かったのに!!


 震災前の水準に回復しない⇒不便になる⇒不便な所に人は住まない・住めない⇒人口減少

 この方程式の辿りつく先は、消滅です。


 気仙沼線のこの決定、利用者として私は評価しております。
 ですが本吉・歌津・志津川の事を考えると、本当に残念でした。
 まずはきっぷの発売と、大船渡線直通快速の運転に期待を寄せて。
 そして本吉・歌津・志津川の今後を憂いながら、この章を終えます。
 有難う御座いました。
 
 ・・・一応せっかくなので、ずっと公開せずにいた『第十回:移設ルートを考察する』を1%だけ残っている鉄路復旧の可能性に絡めながら記そうと思います。GW頃の公開を目指します。

 どうぞ、よろしくお願い致します。


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