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気仙沼線の必要性を訴えるブログ

このブログは廃線の可能性が示唆されている気仙沼線について、鉄路による復旧を心の底から願っているある利用者が、存続を訴えていくブログです。 利用者として見てきた私の視点から、気仙沼線の必要性について記していきます。 少しでも鉄路による復旧の理解に繋がれば、嬉しく思います。 管理者

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第7回:気仙沼線の復旧を訴える<まとめ>



これまで私は気仙沼線の復旧を訴えるために、その必要性を利用者の立場から論じてきました。
それが一人でも多くの人々に伝わり、赤字路線の復旧に疑問を抱く方々への心に少しでも響いてくれれば、これほど嬉しい事はないと思っておる次第です。
日本中の皆様に、少しでも鉄道(気仙沼線)の必要性を理解して頂くこと。もしかしたらそれが、何らかの形で鉄路復旧への手助けとなるのではないか。・・・ただの利用者が気仙沼線のために出来る事は、「気仙沼線及びBRTの利用」と、「JRへの復旧署名と電話やメールで意見を言う」以外、何も出来ないだろうと考えた矢先に思いついたのが、このブログでありました。最近気付いたのですが、定期的に講読して下さっている方もいるようで・・・。本当に有り難く思っております。必要性について説くネタは大方話し終えつつありますが、これからも気仙沼線を中心とした鉄道路線について私が経験した事を基に記していければと思っております。どうぞ今後共、よろしくお願い致します。


という訳で、今日は簡単にこれまでのまとめをしたく思います。

●私が気仙沼線の必要性を訴える理由は、以下の通りです。●

①通学ラッシュがバスとしての許容を超えてる事・・・第一回
②帰省・Uターンラッシュがバスとしての許容を超えてる事・・第二回
⇒この2点はつまり、鉄道として大量輸送という点を担っていた事を示すものである

③速達性が非常に高い事・・・第三・四回
特に快速だと、高速バス及び車よりも速かったのが特筆される。


まずは上記3点が一番、私が強調したかった点であった。



①に関しては最悪、BRTでも対応出来なくは無い・・・事ではあるだろう。っていうか現在、通学時間はバス台数を増便して、それに対応しているのである。本数が鉄道時の2倍以上なのだから、減便しない事を条件とした上で(第五回参照)通学路線として特化させるのであれば、実はBRTを本復旧とする結論もなくはない理論・・・、なのかもしれないと思う人もいるやもしれない。

だが②と③については、BRTでは無理なのだ!
⇒第四・五回を中心に参照



だいたいに於いて、そもそも②(帰省客)関連で気仙沼線を利用していた人は、③(速達性)があったからこそといえるのである

例えば仙台駅から気仙沼に行くのに、以下の方法があるとしたら皆様はどう順位を付けるだろうか?(混雑予想とか料金は抜きで、考えてみて欲しい)


A,仙台⇒気仙沼(快速列車2時間、乗り換えなし)
B,仙台⇒小牛田⇒気仙沼(普通列車3時間、乗り換え1回)
C,仙台⇒気仙沼(高速バス2時間半~3時間、乗り換えなし)
D,仙台⇒気仙沼(自分が車を運転、2時間20~40分)
E,仙台⇒小牛田⇒柳津⇒気仙沼(普通列車とBRTで4時間、乗り換え2回)



・・・どうですか?皆さん大方の方はAを、優先的に選んでいきませんか?それとEを上位に選ぶ人は、ほとんどいないと思うのですがどうでしょうか?

このA(即ち速達性)が選ばれていたからこそ、気仙沼線は多くの利用者で溢れていたと私は考えているのですが、どうでしょうか。

ちなみにBも良い勝負してませんか?バスや車が苦手な人は、Bを二番にする人も多いと思うのですが、どうですか?これが、第四回に於ける理論の成立の証明となる訳です。

ではEは?現在のBRT気仙沼線は?・・・普通、いないのではないでしょうか。





・・・先日、河北新報に「気仙沼線BRTの利用者は一日平均約380人」という記事がありました。震災前に比べ、大幅に減少しています。
でもこれは正直、当たり前でしょう。誰もEなんて使わないんだから!!!!


何も知らない人はこの数値だけ見て、「鉄道復旧必要なし」と言われるかもしれません。

違います、AとB(鉄道)がないので、仕方なくCとD(高速バスと車)を使ってるだけなんです!!故にBRTの利用者数だけで判断するのは間違いであり、鉄道を使いたくても不通なのでやむを得ず高速バスや車で代替している人も多いのです!!


ですのでよく「BRTの利用が低いなら、廃止でいいよ」と語る人がいるのですが、それは全く違う訳です。その答えは先ほどのA~Eの選択肢で、お分かり頂けたと思います。どうですか、それとも今はCとD(高速バスと車)があるから、AとB(鉄道)は要らないと考えるのでしょうか?

BRTに普段乗らない人も、鉄道の復旧は待っています、それをどうか・・・忘れないで欲しい!!





・・・まとめます。





つまり気仙沼線には速達性があり、かつその恩恵を受けた利用者が多かった故に、絶対に必要だと私は言っているのです!!

例えばよくある例として、山田線(盛岡~宮古間)の話がありますね。長距離移動は高速バスが主流で、鉄道は機能してないと。私は山田線のこの区間は一回も利用した事がないので実態は分かりませんが、そういった話はよく聞きます。仙台から山形の移動も仙山線から、高速バスの方へと主流が移りつつありますね。こういった場合は鉄道の存在意義を疑う人が出て来ても、仕方ないのかもしれません。

でも気仙沼線は、絶対に違います!!それはさっきの選択肢の通りです。鉄道が機能してたんです。だから自信を持って、気仙沼線の必要性を、鉄路の復旧を訴える事が私には出来たのです・・・

BRTには速達性もないし、大量輸送も出来ません。おまけに定時性も幻想でした。
⇒第五・六回参照


気仙沼線がBRTで本復旧されたら、私はこれほど不便で残念な事はありません。
もちろん廃止にたる要素が酷い(会社倒産レベルの赤字であるとか)なら納得せざる得ませんが、JR東日本は黒字企業です。確かに気仙沼線は黒字路線にはなり得ませんが、仙台⇔気仙沼間に於ける最速主力交通路線です。三陸道の整備が進もうとも、それは絶対に揺るぎません。(第三回参照)また東京或いは仙台といった都会からの観光・行楽・帰宅、Uターン需要が見込める路線でもあり、高校生の重要な足でもあります。JRのお心遣いにご期待を添えたく思っております。またもし機会が有りましたら、皆様にもどうか切に気仙沼線の復旧へのご理解とご協力を頂ければ幸いです。


気仙沼線で、復興した街々を見ながら、気仙沼市まで帰れる日を夢見て・・・
まずは陸前戸倉までの早期復旧を!!

筆者


次回は「第八回:気仙沼線の記事を読む」をお送りします。新聞記事を講読していきながら、これまでの応用をしていきたいと思います。










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第6回:BRTで本復旧はダメ!!(専用道編)

BRTのもう一つのメリット、それは「専用道を走るから遅れない」という発想である。



・・・私はそれを信じていた時代があった。そう信じていたのだ!!!そしてこのメリットに、随分期待していたのである。
だがそれも専用道が出来る度に、失望へと変わっていった。
何度も乗車した私が、自信を持って宣言させて頂く。


   
悪いが、そんなのはメリットでも何でもない。嘘っぱちなのである!!定時性など・・・ない。

今回はこれについて、詳述していこうと思う。


さて、まずBRT専用道についてイメージを少し整理してみたく思う。
すると大体、皆さま「渋滞に巻き込まれないので、遅れない」と解答されるのではないでしょうか?
私も初めて乗車するまでは、そうだと考えていました。まあ正直、気仙沼線沿線で渋滞が心配されるのは「気仙沼~本吉(特に南気仙沼~陸前階上の間、最知近辺は渋滞しやすい)」と、志津川近辺(今は町がないので、渋滞よりは信号待ち的な遅れ)だけで、半分以上は渋滞の心配はないんですが・・・。それでも定時性確保という意味で、期待していました。




見事に裏切られましたね!!バスが専用道に入る所から、順を追って説明しましょうか。なおせっかくなので、一番最悪なパターンの場合で掲載させて頂きましょう。


 まず専用道に入る時、この時にがっかりする事が多い。例えば右側が専用道の入り口だったら、一般道から来たバスは右折しないといけませんね?はい、右にウインカーを挙げまーす。・・・・対向車一杯で曲がれませーん。空しく車内にウインカーのカッチン、カッチンと言う音だけが響く。「あれ・・・、これ一般道行った方、早くね?」



 ようやく曲がりました。専用道に入りまーす。バス専用道なので、渋滞の心配はありません。安心して乗車出来ると思って、何となしに左の国道(さっきまでバスが走っていた一般道)を見ると・・・。「あっ、一般車に追い越された。あっ、今度はトレーラーに追い越された。あれ、今度は観光バスに追い越されたなー。列車の時は追い抜いていたのになー。っていうかこのバス、さっきの一般道の方がスピード出ていたと思うんだけどな!!」
 それもそのはず、BRT専用道はもともと線路だった所。狭いんだから、大型乗合バスがスピードを出せる訳がないんです!!


 交差点に差し掛かりました。鉄道時代、踏切だったとこです。大きい交差点は信号が取り付けられていてBRTが優先(一部除く)、遅延の心配はありません。でも小さい所は、そんなものありません。どうするのかなと思っていると、バスは減速を始めました。なんて安全なバスでしょう!!鉄道時代には考えられませんね。もちろんその間にも、国道の一般車は平気で追い越していきます。



 あっ、今度は向こうからバスが来ましたよ!!BRT専用道は狭いので、もちろんすれ違う事が出来ません!!どうするのかな?大丈夫、大丈夫、賢いJRはちゃんと待避所を作っていました。さすが、ここに入ればすれ違いもラクチンだね。バスは、駅でも何でもない待避所に入りました。「行き違いのため、停車します。」という運転手のアナウンスが入ります。バスのすれ違いで30秒近く止まりました。もちろん、国道の車はどんどん追い越していきます。そこでふと私は思いました。「鉄道の時は行き違いの時間も含めてダイヤが組まれていたけど、バスはどうなんでしょうね?」



 いよいよ専用道も終わりです。バスは一般道に戻ります。さて右に曲がって、国道を走りましょう!!右にウインカーをあげて・・・、はい、車がたくさん来て曲がれなーい!!!そりゃ、国道優先だから当たり前か・・・。
 でも専用道のおかげで定時性ある運転がされてるんだから、仕方ないよね!!!!




 ・・・専用道って意味ありますか?正直、一般道行った方が早くないですか?

 っていうか、「専用道に入るための時間、バスのすれ違い、専用道を出る時間」だけで遅延要素になってませんか?

 本当に、専用道は役に立っているのでしょうか?




 はい、実際、遅延しています。

 特にこの前は酷かった。忘れもしない7月14日(日)、私は18時53分に柳津に着くバスに乗っていたのだが・・・。目立った渋滞もないのに7分以上も遅れたのだ!!危うく、19時4分の小牛田行きに乗り遅れるところであった。まあ多少なら待ってくれるとは思うが、JR時刻表に「BRTと列車との接続は行っておりません」と書かれていれば、不安にもなる。まあ、これもおかしいのだが!!

 
もちろん、この件に関しては一概に専用道のせいだけにするつもりはない。

 しかし実際定刻が守られる確率は6.5割位、ハッキリ言って定時性は低いのである!!
っていうか渋滞してなければ、一般道の方が早いって、絶対!!!確かに早着した事も何回かあるが、遅着だって何度もあるのだから!!

 ちなみに9月4日現在で、管理者が意味があると思った専用道は歌津~陸前港間の区間のみである。ここは間違いなく、一般道より早い。でも松岩~大谷海岸は最知の渋滞がなければ、ほとんど一般道と変わらない。っていうか普通に走れば、一般道の方が早い!!小金沢~本吉は専用道の方が早いけど、柳津方面から専用道を来た時は小金沢で国道を右折するので、車が一杯来て曲がれないと一般道の方が早くなる。実際、こんなもんなのだ。9月5日(木)からは専用道も増えたが、正直、期待はしていない。
 
 しかもトンネルのある歌津~陸前港、小金沢~本吉はバスのすれ違いがあれば大幅に遅れるのだ!!トンネル内は待避所なんて、整備出来ない。なのでバスはトンネルの前に設置された信号に従い、トンネル内を走るのだが・・・。例えば上り方面のバスが現在トンネルを走ってれば、当然下りのバスは停止信号のため動けない。となると、その時間は遅延となる。悪いがこういう事なのだ!!っていうかその間に、一般道走る車がどんどん先に行くって・・・

 
 さて愚痴っぽくなってきたが・・・、これでお分かり頂けたと思う。


  専用道は遅れない?、そんなの幻想だ!!
 結局BRTの現時点の利点は利用者から見れば、本数しかないと思う。

 ・・・それも減らされれば終わりだし(第五回参照) 




 一応付け足すが、BRTだと津波から逃げられるとか言ってる人がいるが、そんなのは方便だと私は思う。だってそれじゃあ、仙石線も同じ理屈ですよね。・・・利用者がいないからと語る人は、申し訳ありませんが第一回から読んで下さい。
 

 JRは普通列車時代よりも10分遅いダイヤで柳津~気仙沼を結ぶとしてる。でも実際、私は無理だと思う。いやダイヤ上はそうなるかもしれないが、絶対遅れると思う。気仙沼線はトンネル区間多いし、専用道のすれ違いもあるし、そもそも気仙沼市内は専用道を出るのも入るのも大変なんだから・・・。っていうか遅れると柳津や気仙沼駅の列車接続も怪しくなるし。本当、鉄道復旧が待ち遠しい限りである。頼むぞ、JR!!(特別編参照)

 さて次回は、第一回~第六回までのまとめをしたいと思っています。
 結局、何故、私が気仙沼線の必要性を訴えているのか。
 もちろん私が必要としていると言う事も、否定はしません。
 でも復旧を望んでいる沢山の声や、地理的な要素・速達性向上による地域活性化の期待、震災前の利用状況・・・、それら全てを総合的に鑑みて、私はこのブログを作成しているつもりです。
 


 次回はこれについて、第一回~第六回をまとめながら、論じたく思います。
 



特別編①:気仙沼線復興調整会議Part1

第六回:BRTで本復旧はダメ!!:(専用道編)は、もう少しお待ちくださいね。
今日は臨時ニュースと言うことで・・・


速報でもないのですが、先日の8月7日(水)、気仙沼線の復旧について話し合われる気仙沼線復興調整会議が、仙台で開かれました。
そこですごく嬉しかった事がありましたので、せっかくなので掲載いたします。

すでにご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、それは「気仙沼線の移設について、JR側から申し出があった」と言う事です!!

これは私の勝手な価値観ですが、もしJR側に復旧の意思がなければ、そんな事は言わないと私は考えています。現にJRは岩泉線の廃線や、只見線の復旧が困難であること、大船渡線の気仙沼~陸前矢作間に於ける先行復旧の拒否等、出来ないことや難しい事は主張してきた企業です。そのJRが移設について、自ら言及した事は非常に大きいのではないでしょうか。

まだ安心出来ない部分はありますが、この報道はJRは比較的前向きに復旧を検討している姿勢の表れとして、私は受け止めたく思います。JRを信じて、これからはブログを記していこうかと思います。


ところでもしJRに復旧の意思があるなら、このブログは意味を失うのですが・・・。
とりあえす第六回は予定通り、書こうかと思います。


管理者


第5回:BRTで本復旧はダメ!!(本数編)



これまで、私はBRTに反対する理由をこのブログで挙げてきた。
しかしBRTの利便性については、触れてこなかったと思う。


今章からは、少しそれについて語っていこう。その内、今回は最大のメリットである本数について詳述していきたい。

私が初めてBRTで仮復旧した時、一番驚いたのが運行本数の多さであった。最初は何かの間違いじゃないかと、強く思った程だ。特に本吉限定で見れば震災前は一日に12本だったのに、今は31本である。2時間待ち当たり前が、30分待ちに短縮である。これは確かに凄い!!

幸運にもこれに関して、話を聞く事が出来たので掲載しようと思う。

先日の7月14日(日)、私はまた気仙沼に行く用が出来たので気仙沼線のBRTに乗っていた。
結構観光客が来ていて、バスでは立ち席の人もチラホラと見かける状態であった。
そんな時、私は前に立っていた気仙沼高校の生徒とさり気なく会話を交わす事になる。
話をしていく内に気仙沼線の話になったので、私は今の気仙沼線の在り方について聞いてみる事にした。
なお大事な部分に下線を引いておく。

私  「BRTが出来て、やっぱり便利になりましたか?」
高校生「便利になりましたね。」
私  「でもやっぱり電車に比べると不便でもあるでしょ?」
高校生「いや、自分、今一年なんで、電車は乗ったことないんですよー。
私  「あっ、そうなんですか・・・。」
高校生「でも不便だと思った事は、そんなにないですね。強いて言うなら自分志津川なん
    で、全部のバスが志津川まで行ってくれるといいんですけどね。」
私  「確かにバスの半分は本吉で終りですからね。」
高校生「そうなんっすよ。」
私  「もし今電車に戻されたら、本数は間違いなく減りますよね・・・。
高校生「それはしんどいっすね。

私はこの会話で確信した事がある。地元ではBRTは好評という記事をチラホラ見かけるのだが、その好評理由をハッキリと納得するに至れた。

BRTの運行本数の多さが、それを支えているのである!!

これまで述べてきたが、気仙沼線利用者の半数は高校生である。確かに従来より20~30分遅くなるが、その代わり2時間から30分に一本へと運行本数を増やしますと言われたら、正直悪い話ではない。なるほど、もし地元が所要時間よりも運行本数を重視するなら・・・、BRTが本復旧でも仕方ない



でも待って!!!!本当にそれでいいんだろうか?もう一度考えてみよう!!!!


まず今までの運行本数が日に10本程度だったのに、突然30本になるなんて・・・、おかしいとは思わないだろうか?


確かにバスの方が列車よりもコストが安く、また増便もしやすいのは間違いないだろう。運転ダイヤの編成が複雑な列車と違い、バスの方が容易である事も確かな事である。しかし気仙沼線よりも需要があった石巻線(最大本数区間約20本前後)や陸羽東線(最大本数区間約25本前後)、そして気仙沼線よりは少ないもののほぼ同数需要である大船渡線(最大本数区間約10本前後)を差し置いて、この本数で運転されているのである。・・・どう思われるだろうか?これまで需要のない赤字路線だから気仙沼線は本数が少なかったのに、いくら運行コストが安くなったからと言って日に20本も本数が増えるのは自然なんだろうか?


私の意見を言わせて頂こう。

BRTの運行本数は将来的に絶対減らされるだろう、間違いなく!!


少なくとも今は大丈夫であろう。もし今、本数を減らしたらBRTの評価理由は無くなるのだから。それにこんな事をすれば、全国的にも叩かれるであろう。

でも恐ろしいのはBRTを本復旧と認めて、気仙沼線の鉄路復旧の可能性が費えた時である。
その後もしばらくは大丈夫だろうが、震災が風化してくれば必ず、世間的には叩かれなくなってくる。そうすればJRだって採算性の低い路線の見直しとして、BRTの本数を減らすはずである。最後には震災前の気仙沼線と同数本数になるのが目に見えている。いや、最悪、震災前よりも少なくなる可能性もあるだろう。だって運転本数が減らしやすいのだから・・・当然、現行BRTの始発・最終のバスなんかはすぐに廃止の対象だろう。


BRTは所詮、バスなのである。そしてバスは簡単に減便出来るのである!!


ちょっと前に東京の親戚の家に来たら、私がよく利用する阿佐ヶ谷駅発長久保行きのバス本数が減らされていたので驚いた。前は20分位に1本だったのに、知らない間に30分に1本になっていたのだ。仙台でも市営バスの本数が突然減るとかはザラだ。今でもショッキングに覚えているのが、当時地味に利用していた仙台駅を日に4本発着していた錦ヶ丘行きが、突然平日一日2本のみの運行になった事である。

バスはこの位、簡単に減便出来るのである!!!!
逆に言えば、列車は簡単には減らないのである。先に挙げた陸羽東線も石巻線も大船渡線も、多少の増減はあるとは思うものの、10年近くほぼ同じダイヤじゃないだろうか?鉄道は高額な維持費や複雑なダイヤ編成のおかげで、簡単には減便できないのである。


さてここで結論を述べよう。簡単に言うならば

BRTの見せかけのメリットに騙されないで欲しい!!
と言う事である。運行本数は絶対減らされるだろう、間違いなく。

もしここで「運行本数が多ければ、みんな利用するんじゃない?」と言う人がいたら、残念ながらそれは違うと言わざる得ないだろう。みんな車を持ってるのに、わざわざバスを利用する人は居ないのである。いくら震災復興が進んでも、需要は昔と変わらないと私は思う。

だからと言って「鉄道復旧必要なし」と主張するのは困るのである。その理由は第一~四回で述べたつもりである。参照願いたい。




最後にもう一つだけ記そう。準地元民として。
それはさっきの高校生との会話の黒字について・・・

つまり彼は地元民なのに、今まで気仙沼線を利用して居なかったと言うことだ。
恐らく3年高校生活を送れば、後は車社会に生きるのだろう。
多分、今気仙沼線を使ってる高校生の半数は、後の車族である。

さて気仙沼線の利用者としてもう一つ大事なのが、帰省客や観光客の需要である。
彼らは利便性で乗り物を選ぶ。特に観光客は利便性で、目的地を選ぶ。
もしBRTを本復旧にしたら・・・、観光客は昔より来るだろうか?今は復興期である上に、BRTそのものを珍しがって来る人もいるが・・・。復興した後はどうだろうか。

私はBRTの本数削減は、絶対起こると確信している。しかし高校生はどんなに本数を減らされても、それに乗るしか道はない。そして観光客はどうであろうか?もしBRT一日に10本と鉄道一日に10本の場所があったら、どっちが利便性があると思うだろうか・・・・。



特に地元の方には、よくよく考えて欲しいと切に願う。



後になって鉄道が良かったと言っても・・・遅い。







次回は第六回:BRTで本復旧はダメ!!:(専用道編)をお送りします。

第4回:速達性について考える(普通編)

BRTは遅い・・・、鉄道時代は本当に良かった。

6月23日(日)、また気仙沼から仙台まで出る事になったので、BRTを利用した。本当は18時40分の高速バスで出たかったのだが僅か10分の差で乗れず、最終の仙台接続のあるBRTに乗ったのだ。18時50分位のバスに乗り、気仙沼を出発していった。

・・・なお断っておくが、決して乗り遅れた訳ではない。ちなみに18時40分のバスは予約制なので、突然乗車したくなっても小回りが効かない不便さがある事をここで強調しておこう。


さて問題です。私は仙台まで何時間で行ったでしょうか?

参考までに快速南三陸なら約2時間、高速バスなら約2時間30分です。 


・・・私が仙台に着いたのは22時32分でありました。 

なんと、約3時間40分もかかったのである!!
ぶっちゃけ、本当に遠い。小牛田辺りに来ると、「快速だと、もう仙台に着いているのに・・・」と溜息が出てしまいます。あと路線バスに2時間近くも乗車しているのが、メチャクチャしんどい。高速バスのようなシートならまだいいけど、普通のバスに120分はホントしんどいって、マジで!!

・・・さて愚痴的な前置きではあるが、きちんと意味がある事をここで強調しておこうと思う。
もし上の日程が震災前の気仙沼線ダイヤに基づかれていたら、私は何時間で仙台まで帰れたのだろうか。
ここに気仙沼線普通列車の速達性が隠されているのである!!


震災前、南気仙沼駅から19時30分頃発車の最終普通列車小牛田行きがあった。この列車は終点の小牛田には21時30分位に到着し、21時45分位に発車する東北本線最終の普通列車仙台行きに接続、22時30分頃に仙台に到着していた。・・・これが真実である。

 つまり普通列車に比べて、
40分もBRTの方が遅いのである!!!
というのも震災前は小牛田まで2時間であった。しかし今は柳津まで2時間、そこから列車への乗り換え時間10分位を挟んで、小牛田まで35~40分。震災前より40分以上も遅いなら、その位の時間にはなるわな。

・・・何がバス高速輸送システムだよ。時間掛かりすぎなんだよ!!!!

もちろん不便を被っているのは、私だけではない。愚痴だけで気仙沼線の必要性を訴えるほど、私も愚かではない。
 
第一回で示したが、気仙沼線の主体となる利用者はどういった人達であったろうか。答えは沿線の高校生である。例えば志津川方面から不動の沢にある気仙沼高校まで通学する高校生は、第一回で示した通りぶっちゃけかなり多い。実際6月23日(日)も、歌津・志津川方面に帰る高校生が乗車していた。彼らの気持ちになって、少し考えて欲しい。



●もしあなたが、今まで[50分]で行けていた所を、明日から[1時間20分]で行って下さいと言われたら、どう思いますか?

●しかも[電車ではなく路線バスでお願いします]と言われたら、どう思いますか?

もちろんBRTが本当に仮復旧なら、私はこんなブログは立てていない。

でもBRTが本復旧では困るのだ!!


別に「三陸縦貫鉄道を為す路線であり~」とか、「悲願80年路線~」とか言うつもりは私には無い。

ただ気仙沼線が鉄道として無い現状が、地元民に不便さをもたらしている事実を知ってほしい!!

ちなみに、気仙沼線の場合は石巻線方面の需要も忘れてはならない。休みに乗れば分かるが、気仙沼・志津川方面から前谷地で石巻方面に乗り換えする客もいるのである。この場合仙台と違い、石巻への交通手段は気仙沼線しかない。・・・きっと今は、本当に不便な思いを強いられているんだと思う。これが本復旧ですとか言われたら彼らにとっては最悪極まりないと思うよ、私は。
確かに地方は人口も少なく、車社会ではある。でも、それでも鉄道を必要としている人は沢山いる事実を私は知ってるつもりだ。そういった現実も知ろうともせず、ただ「鉄道復旧は莫大な金がかかり・・・」とか「赤字路線はなくせ!!」等と、復旧を心待ちにしている人に対する暴言は本気で辞めて欲しいと強く思う。

ところで第三回と被るのだが、震災前にもし仙台まで行くなら・・・選択肢として


①2時間でほぼ確実に行ける快速列車
  (往復切符なら、バスと同じ1800円です)
②2時間30分かかる、遅延するかもしれない高速バス   の他に

③3時間でほぼ確実に行ける普通列車

が入るだろう。

気仙沼線は小牛田までの普通列車が下り8本の上り10本だったと思うから、高速バスと本数的に変わらない。その高速バスの中でも、志津川経由なんかは2時間45分掛かる上に遅延の恐れがある。よく「快速は2本しかなかったんでしょ。それに高速バスがあるから、気仙沼線は復旧しなくていいんじゃない?」等と語る輩がいるが、それは震災前を知らない連中の戯言だ。遅延せず、ほぼ高速バスと同じ所要時間で、かつバスよりも快適に仙台まで行けるなら、充分普通電車でも存在価値はあったのである。加えて仙台だけでなく、バスでは行けない石巻方面の需要もあるのだ。中には、古川方面に行く人もいるかもしれない。こうした実態もあるのだから、そんな軽はずみな発言は控えて貰いたいと切に願う。



さて次回からは第五回:BRTで本復旧はダメ!!:本数編をお送りします。
正直、BRTになってから本数だけは凄く増えました。だって鉄道の2倍以上ですもんね!!でもこれをBRTの利点として捉え、鉄道は本数が少ないから復旧を諦めよう・・・。絶対ダメです!!!!

次回はその辺について、自分の見解を示していきます。

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